第十二話
俺は
右を見ると事務室らしい部屋が見えたので、ノックしてみた。「どうぞ」と声がしたので、ドアを開けて一礼した。
「
早速ですが小屋を建てたいので、木材を売っていただきたいんですが……」
部屋の中にいたのは、顔から年齢を
「私は、
そして、右手を出してきた。俺ももちろん右手を出して、
「何でも山の中に住むための、小屋を作るんだって? しかも自分で。いいね、それ。そういうの好きだよ。はははは」
俺は何となく
「道夫さんに電話で、安くて良い木材を売ってやってくれって頼まれたよ。はははは」
え? 道夫さんは、源治さんに電話をしてくれたのか。ありがたい。これはまた、お礼をしないと。すると源治さんは、言い出した。
「安いんなら、
だが俺は、端材に
「え? そういうのが、あるんですか?! タダなんですか?! 見せてもらえませんか?!」
源治さんは少し困った表情になったが、見せてくれた。端材は工場の
「あの、この端材って、まだまだ使えるんじゃないですか?」
すると源治さんは、答えた。
「ああ、まあ、使えることは使えるよ。必要な部分を取った、残りだというだけで、
俺は、端材を
それに、予感がした。端材で小屋を建てる。これはまだ、
「いいよ、分かったよ。ゆずるよ。でも、ちょっと待ってね……」
と源治さんは、事務室に戻った。そして少しすると、戻ってきた。手には
「端材は
俺は、ちょっと
「じゃあ、
俺は思わず、
テントまで戻ると、俺は全ての端材を軽トラの荷台から下ろした。そして、考えた。材料はそろった。土地もある。あとは小屋を建てるだけだが……。
俺はもちろん、小屋を建てたことはない。だからもう一度ユーチューブで、DIYで家を建てた動画を見た。すると、大事なことが分かった。それは、
そしてノートに、小屋の設計図を書き始めた。まずは、
俺はそれをノートに書きながら、考えた。次は高さだ。俺の身長は一、七メートルだから、当然それよりも高くしなければならない。うーん、二メートル? いや、
だが俺は、気づいた。いや待て、ここは長野県の
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