第八話
俺はスマホで
「そしたら
おっと、手ごたえがありました。素早く
はい、それでは処理をします。
そこで俺は、ふと考えた。あとはご飯が炊けて、アマゴが焼けるのを待つだけだ。その間を、どうしようかと。ただ撮影するだけで、何もコメントすることが無い。でも、それも良いかと思った。焚火に焼かれて皮がパリパリになり、どんどん
しばらくするとご飯が炊けて、アマゴも焼けた。俺はコメントを再開した。
「はい、ご飯が炊けました。良い匂いです。アマゴも焼けました。やはり食欲をそそる、良い匂いです。それでは食べてみます。まずはアマゴから。うん、塩が効いていて、美味しいです。
ご飯も食べてみます。うん、アマゴのしょっぱさとご飯の甘みが口の中で混ざり合って、何とも言えません。美味しいとしか言えません」
食べ終わると早速、動画をユーチューブで
そして、川を眺め続けた。
そして、改めて考えた。俺は今まで一体、何をしていたんだろう。会話をして指示したり、されたりするのが苦手で、それでもそれをしなければならない苦痛な仕事を、なぜ続けていたのだろう。確かに働かなければ、給料はもらえない。そして給料が無ければ、生活できないと思っていた。でも違う。別に会社で働く必要は無い。腹が減ったら魚を釣り
ふと見ると俺の
そしてそういえばここ数日、
そんなふうに過ごしていて、ふと腕時計を見ると午前十一時すぎだった。まだ腹は減ってなかったが、コシアブラの葉を採りに行くことにした。山の中を歩き回ってみたい、とも考えていた。もちろんスマホで、撮影した。
「えー、それでは、コシアブラの葉を採りに行きたいと思います。
あ、でも、ありました、コシアブラです。背が低いですが、見つけました。この葉っぱはセリのような味がして、美味しいんです。やはり食べる分だけ、採ります。たくさんあるからといってたくさん採っても、食べなかったらもったいないと思うので。一、二、三、四、五、六……、うん、これくらいでいいですかね。それではテントに戻ります。
うーん、やっぱり歩きづらいですねえ……。私が何度も歩いていれば、それなりの山道になるかも知れませんが……。あ、はい、テントに着きました。それではコシアブラの葉と鶏肉の、炊き込みご飯を作ります。
まずは、ご飯の用意をします。はい、飯ごうに米を入れて川の水で研ぎます。そして適量の水を入れて、はい、これでいいです。あとは
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