第五話
そして俺は、ルアーを川の中心に入れてみた。そして
ふーむ。さっきの老人は川の流れの中心で、アマゴは
だがやはり、アタリは無かった。うーむ、やはり釣りは難しいと思いつつ、ルアーを
「おお! やった! 釣ったぞ!」
俺は釣りあげたアマゴを、しばらく
だが少しすると、腹が減ってきた。俺は釣りを止めて、夕食を食うことにした。俺の手元には、二匹のアマゴがある。おかずは、これで十分だ。それからスマホでググって、魚の
そして
まずはアマゴに、かぶりついた。美味い!
こんな幸せな気持ちは、今まで味わったことが無かったかも知れない。ふと見上げると、星が
朝、起きると
老人は川の上流に歩いて行ったので、俺も上流に歩いてみた。一キロくらい
「すみませーん!
少しすると黒髪に
「はいはい……。あのー、すみません。どちら様でしょうか?……」
俺は、説明した。昨日、
するとおばあさんは、笑顔で
「ああ、それはきっと、うちのおじいさんですね」
そして家の
するとおじいさんは、目を細めて笑った。
「何だ、そんなことでわざわざ礼を言いにきたのか。そんなの、気にせんでいいのに。それじゃあ
俺は家に上がるのはちょっと気が引けたが、おじいさんの
おじいさんは、お茶を飲みながら聞いてきた。
「まあ、お茶を飲みんしゃい。それで、あんちゃん、あんなところで何をしてたんだい?」
俺は、正直に答えた。東京の会社で働いていたが、もう働きたくなくなったので会社を
するとおじいさんは、
「がはははは! 会社を辞めてキャンプにきたか! あの辺はたまに都会の若いモンがキャンプをするが、会社を辞めてきたのは、あんちゃんが初めてだ! がはははは!」
それを聞いたおばあさんが、口を
「ちょっと、おじいさん! あんちゃん、あんちゃんって
そういえば俺はまだ名のっていなかったことに気づいて、僕は
するとおじいさんも、名のった。
「
そして再び、豪快に笑った。
「だが儂はあんちゃんを、やっぱりあんちゃんと呼ぶぞ! がはははは!」
するとおばあさんは、ちょっと
「どうしたんですか、おばあさん?」
するとおばあさんは、思い切った
すると今度はそれを聞いた道夫さんが、口を挟んだ。
「何、言ってんだ、ばあさん! そんなの店の人に聞けばいいじゃないか?!」
「でもお店は離れていて、行くのも大変で……」
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