第68話 まだ続きがあった
エルフのご夫婦の弓のすごい腕前を見せてもらったあと
〖そんじゃ、俺も久々にやるかな〗ふふん♪
ご機嫌に武神様が前に出てきたんだけど
〖ちょっと待って下さい!まだ武神用の強度にはしてませんよ!〗
工芸神様が慌てだしたわよ?
〖別に大丈夫だろ?〗
武神様は制止もかまわず構えに入ったけど
キュイーンっ
〖なっ?!大丈夫な訳ありますかっ!皆さん、ありったけの魔力でシールドを⋯っ〗
あの(神様たちの中では)物静かな工芸神様が叫んだわっ
『『ギャーっ馬鹿武神っ』』
神獣様たちまで!?
〖そこの衛兵たちもはやくっ〗
『『『『『は、はいーっ』』』』』
『『『ええええっ!?』』』
エルフさんたちと一緒に右往左往しちゃうわよ?何事なの!?
キュイーンっ
『ええええっ』
何あれ何あれ!?弓がないのに金色の弓が見える!?
『『ああああっいったい何属性の矢が!?』』
火、水、風、氷、雷?
〖よっと〗ひゅんっ
ちょっと!?いきなり!
〖このバカ神~っ、衝撃が来ますよっ!〗
ズバンズバンズバンッ!
『ええええっ離れた的に全部違う属性の矢が突き破った!?』』』
ぶわあっ
『『『『『ギャーっ余波がーっ』』』』』
『あわわわ』
それどころじゃなかったーっ!
な、何とか防げ⋯
〖オマケだ〗
『『『『『え?』』』』』
何ですって?
ギュイーンっ!
ええええっ!?な、なんか色々混ざってスクリューみたいに⋯
〖このっ脳筋大バカがーっ〗カッ
『『伏せろーっ』』
『『『『『『ギャーーッ』』』』』』
ヒュンっ!
ドガーンッ!
ごおおおおおっ
『ぎ、ぎゃーっ』ごろごろごろ
『『あああーっ』』ごろごろごろ
飛ばされるーっ
レイとエルフ夫婦は呆気なく飛ばされた
〖くっシールドがもちませんっ〗
ピシピシピシっ
『『踏ん張れ工芸神っ!』』
ピシピシピシっ
粘る工芸神様と神獣様。だけど
『『『『工芸神様っすみませんっ我らは限界ですっっ』』』』
バリンっ
『『『『うわあああっ』』』』
ごろんごろんごろんっ
衛兵さんたちも脱落っ
『『ああっしっかりしろーっ!』』
ここって室内よね?なぜ室内でこんなことに!?
〖くううっこの脳筋がああっ!誰が壊れた宮を直すと思ってるんですかああっ〗ブチっ!
『『やばいっ工芸神がキレた!』』
『『『『ヒイイッ』』』』
『『『え?』』』
カッ!
ピシャピシャーンッ!
〖ふぎゃあっ〗
ビターンっ
あ、なんか漫画みたいに雷に打たれた骨が見えたような⋯
ぷしゅうう⋯ぷすぷすぷす
〖ふぎゅ⋯〗
あ、死んだ⋯
どすっ
〖ぐえっ〗
あ、生きてた
ゆらぁり⋯
『『ああ~』』
『俺、知らね~』
『同じく』
神獣様?
『鬼神降臨ですね』
『目が赤く光って見えます』
『とばっちりを食わないうちに』
『退散しましょう』
『『『ええ?』』』
ど、どうなってるの?
『天界ではな、怒らせちゃいけねぇやつが二人いてな?』
『一人は主神、もう一人が⋯』
〖武神、このたわけが⋯言ったでしょうシールドを待てと〗ひゅおお
〖お、落ち着け、俺が悪かった〗がくぶるがくぶる
『な、なんか工芸神様の口から何かおどろおどろしいモヤのようなものが出ているような?』
『な、なにか背中にも』
『ユラユラ揺れる何かが⋯』
エルフさんたちにも見えるのね?
『ああなった工芸神は止まらないぞ』
『逃げるが勝ちですね』
いや、あなた方のご主人様なんじゃ?
『普段温厚な方ほどキレると恐ろしいですよね』
『しかも、主神様より腹黒いですから』
『悪魔降臨⋯』
『恐ろしい⋯』
衛兵さん方まで⋯
〖どうしてくれるんです?私の部屋を〗ぐりぐり
うわぁ~背中踏んずけてぐりぐりしてるわぁ
〖ぐええっすまんっ悪かったっ直すの手伝うからっ〗
〖当然でしょう〗ぐりぐり
〖はい⋯うぐぐ〗
あ~あ⋯
『それにしてもすごかったですね』
『一瞬であんなにたくさんの属性を矢にするなんて』
『そうね。それに最後のとんでもないやつ、何だったの⋯』
エルフさんたちと話してると
『まあ、曲がりなりにも武神だからな。攻撃魔法も防御魔法もそれなりに出来るんだよ。魔神様ほどじゃないけどな』
『ただ、脳筋なのでああやって無計画に後でどうなるか全く考えずにやらかすので』
〖ああやって怒られるんだよね~〗にこにこ
『『げっ!しゅ、主神様』』ダラダラダラ
〖ふふ⋯なんかね~すごい衝撃が走ってね~〗にこにこ
『『『そ、それは』』』
もしかしてもしかしなくても
〖それでね~僕の宮、最近修理しても修理しても、追いつかなくてね~〗にこにこ
『う、それは、ごめんなさい⋯』
〖うん。まあ、修行の一環と思えばね~〗にこにこ
『あ、ありがとうございます⋯』
い、いたたまれないわ
〖でも、今回のは何だか様子が違うみたいだから来てみたんだけど~うふふ〗にこにこ
『『『あ⋯』』』
武神様⋯
〖ちょっと僕も行ってくるね~うふふふふ〗にこにこ
『『『ああ⋯』』』
え、笑顔が、怖いです。武神様、ご愁傷さまです
『『あ~』』
『相当、たまってたな』
『ええ。限界だったんですね』
『レイ、お前も少しは』
『加減してくださいね』
『はい⋯』
主神様、ごめんなさい
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございます。遅くなりましてすみません。
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