第35話 男の意地

吉良氏朝side


康邦殿に託されたこの命は俺が達成する!

それを心がけ、前に進む。

刀を振り回し、目の前の敵の頭を兜ごと叩き割る。


氏朝「殺せ!じゃんじゃん殺せ!佐野房綱まで後少しぞ!」


此処に残っているのも親衛隊のみだ。しかし、宗綱の性格としては…


宗綱「お主が将か?」


ほらやっぱり。佐野家は宗綱の武の力で此処までやってきた。だからこそ、武門の意地としても、前に来ると思った。だからこそだろう。そのいきなりの重い一撃を受け止めれたのは


宗綱「やるなぁ」

氏朝「語尾を小さくしないで。すんごく気持ち悪いから」

宗綱「気持ち悪い!」


可哀想だが、俺の一言で彼は固まった。今だ!攻撃だ!


しかしそんな不意のついた攻撃が彼に効くはずもなく、簡単に防がれる。ならばと思い、力を込めると、槍に捕まったまま、彼は宙に昇った。え?なにこいつ?バケモンなの?


宗綱「これでこの槍おしまいな」


さらにはありえないことに槍を手で折った!まじもんの化け物じゃねーか!


宗綱「どうした?攻撃しないのか?」


彼は俺を嘲笑う。癪に触るな…(苦笑)

ならばと俺は槍を捨て、鉾に持ち変える。


氏朝「こっちが本当の俺の武器なんでな」


ハッタリだ。しかし、彼は楽しそうに


宗綱「いいだろう。もう他人勝負と行くか」


と言った。


氏朝「え?まじで?」

宗綱「?」


俺は鉾を掲げ、振り下ろす。


ガギン。バキッ


相手の太刀を折る。でも、そこで力を入れてる間に射程から逃れられたようだ。


プシュ


驚く。何かを僧にかけられた。なんで此処に僧がいんの?


目の前の宗綱を見ると…あぁ。ガチギレだなこりゃ。


宗綱「なにしてくれてるんですか!せっかくの陣羽織りが…後で弁償代請求しますからね!」


宝衍「トマト汁だよー洗ったら落ちるよー」


え?なにこいつ?なんでトマト汁持ってんの?ま、気にしないで鉾を…あれ?鉾がない?


宝衍「お探しのものはこれかな?」


僧の手には俺がさっきまで持っていた弓、矢、鉾、大刀、脇差、兜、小刀があった。え?どうやって持ってんの?それ?あなたキャラ濃すぎ…

ま、こんなことがあろうと、槍を馬に隠してたりするんですが


宝衍「…」

宗綱「何処に槍入れてんのよぉ」

氏朝「うん辞めて。マジで。ガチで。耳障りなんよ」

宗綱「…」

また隙ができた!よし、刺す!


宗綱にとどめをと、槍で刺そうとした瞬間、何者かによって宗綱が鉄砲で撃たれ、俺の槍が房綱の鎧を貫き通した。


その鉄砲を撃ったのは…味方のはずの佐竹義重だったー

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