第14話 面会
俺は氏長様に引かれ、清弘殿と共に北条家五代目当主の氏直様に面会することとなった
氏直「其方が氏長の言っていた四郎殿と清弘殿か…」
涼しげな声で言った氏直は論語を片手に持ち、流暢に話しかけてきた。
氏直「堅苦しくしないで良い。今は対等の立場だ。ところで其方達は上方の情勢を深く知っていると聞く。教えていただけるとありがたい」
清弘「それでは、説明させていただきます。織田信長亡き後、織田家は信忠派と信雄派に分かれ、争いを始めました。本来なら信忠が後を継ぐはずなのですが、山崎で明智を破った羽柴が信雄を推しているので」
氏直「つまり、秀吉は信雄を傀儡に自分で政治を行おうというわけか…でもそれでは譜代の多くが反対するだろう?」
清弘「おっしゃるとおり、譜代の丹羽、柴田、滝川、佐々、それに毛利を味方につけており、若干優勢に見えます。しかし秀吉も、池田、細川、堀、蒲生と言った上方の大名を多く味方につけており、また、京都をも押さえております。これは朝廷を押さえているに等しい。また、四国の長宗我部も秀吉方につくように見えます。上杉、宇喜多は静観を決め込んでいる様子」
氏直「ううむ…」
清弘「しかしながら秀吉方についた池田恒 勝入、九鬼右馬允が秀吉を裏切れば、一気に形勢が傾くでしょう。二人は信長恩顧で有力な大名なので…」
そう話しているとドタドタドタドタドタドタと足音が近づいてくる。
兵「氏照様!お待ちを!」
氏照「お館様!真田安房守率いる3000が徳川三河守の軍15000を破りました!」
氏直「そうか…真田が勝ったか!」
四郎「左京大夫様、上方もそうですが、今のうちに領土を広げるのをお勧めします。徳川が動けず、上杉も混乱の極みにある今、まずは安房の里見、常陸の佐竹を打ち破るか、甲斐に進行し、徳川三河守から掠め取るかですね…徳川三河守は手強いですが、信州真田と手を結べば難しくはないはず」
氏照「其方は?」
四郎「私の名は…
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