第9話 夜襲

飛んだ矢が肩に突き刺さる。

痛い

だけど右近にとどめを刺さなければ

騎馬武者を無視して右近に向かう。


一閃

ガギン


私の振った刃は易々と騎馬武者に止められていた


長月「お主の名は?」

左近「島左近勝猛。筒井家の侍大将よ」


島左近ー豊前様の息子と同じ名だ。まさかー

その考えが頭によぎった時右から右近が刀を振り下ろす。

それを弾き飛ばし右近の首目掛けて刀を下ろす!


ヒュン


?「この人にはここで死んでもらっちゃ困る」


そこにまた一人現れる


長月「だれだ!」

秀政「堀九太郎秀政。参る」


危機を見た隣の戦場にいた堀秀政久太郎が精兵二百を率い乱入。ここで私たちは撤退せざるを得ない状況に陥った。


長月「これ以上は無理だ!撤退するぞ」


しかしそのタイミングで現れたのは…


滝野吉正「参る」


滝野さん率いる藍染の部隊屍鬼しき。その数100人だが、伊賀の秘密兵器とも言われる屍鬼の力は圧倒的で


シュバ


左近「うぐっ」


ズシュ


右近「ガハッ」


ドス


秀政「うっ」


瞬きする暇もなく相手を鞣していく

気づいたら倒れた松明が枯葉に着火したようであたり一面は火で照らされた。

そんな中、滝野吉正は無言で立っていた。

それがなおのこと恐怖を感じさせるものであり、伊賀の秘密兵器とはよく言えたものだと感じていた。

この後、筒井の腐り坊主順慶と堀秀政久太郎は敗走。なお、秀政は重傷をおい、軍は壊滅。屍鬼はその後さらに奥の蒲生氏郷忠三郎にも襲い掛かり、これを壊滅さしめた。それは浅野長政弥兵衛を葉月たちが敗走させた日の早朝のことだった。


帰陣中、左近と名乗っていたあの騎馬武者が傷だらけで倒れていた。

おそらく屍鬼にやられたものだろう。

私は恩人の子で今は敵となった彼を連れて帰ったのだった。


彼が起きたら事実を伝えようか思案していると 


四郎「何をしているんですか?」


と話しかけられた



長月「というわけさ。長話してすまなかったな」

四郎「いえいえ」


そう語った少年の目は私とは比べ物にならないほど澄んだ目をしていて、この先、この目が曇らないことを心の中で祈るのだった。


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