第4の証人 神田親子

第4の証人 終末

 俺は昔親に捨てられた。それは親が友達に騙されて借金を多く抱え込んでしまったからだ。俺を養う金はない。そこで父は旧友であり、「孤高の鷹」と呼ばれた師匠に預けた。その後20歳になった俺は父と再会しそこで俺を捨てたことを謝った。師匠によると父は幼い俺をかなり甘やかしていたらしい。俺は父の溺愛はいやなのであまり関わらないようにしていた。舞白の話を聞く限りその性格はまだ治っていないらしい。舞白を殺した後、父は泣いていた。俺は父をそのままにし、ボスの待つ部屋まで向かった。


 パレットのボスは誰も顔を知らない。それを利用して、俺がボスに成り代わる。これが父との計画だ。父は俺が適当に言って本当は仲間だったというオチにする。俺は扉を開けると一人の男がいた。


「ようこそ、紅鬼君。私はパレットのボスだ。」


「そうか、なら早速だが死ね。」


俺は銃を構えた。そして、ボスの眉間を貫通した。


「・・・。」


あっけなくボスは死んだ。俺は彼の机の上を見るとそこには遺書があった。俺はそれを読む。


「・・・。これは・・・、一本取られたな。」


部屋の隅のコンピューターが鳴った。


「革命は成功しました。革命は成功しました。」


その声はあのときの幹部の声だった。俺は声色を変えて彼らに言った。


「そうか、なら自由にしてくれ。」


「え?」


「君たちが国を動かしてくれ。私はこのまま静かに暮らす。」


「ですが・・・。」


「色々な人を参政させなさい。それが最後の命令です。守らないと再び革命は起きます。」


「・・・、わかりました。」


この国はこれから色々な背景を持った人で作られるだろう。どんな色になるのか。この国はどんなパレットになるのだろう。

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