第8話 対談

赤髪で鋭い目つきをしている男だった。彼から出るオーラは一般人だと死んでしまうのではないかと思う。


「今日はお忙しい中足を運んでいただきありがとうございます。」


「いえいえ、私もパレット様に興味がありましたので。」


「ありがとうございます。それではこちらで少し我々の紹介でもしましょうか。」


「はい、では失礼します。」


紅鬼の声は重々しく、かなり低い声だった。


「あなたが噂の怪盗Yですか?」


「はい、そうです。」


「現代の義賊ですか・・・。かっこいいですね。」


「いえいえ、やっていることはただの泥棒ですから。」


「私のほうが罪は重いですよ。」


「バレなきゃ犯罪にはなりませんよ。」


「そうですな。」


 俺と幹部Iはパレットの概要について紅鬼に説明していた。今後の計画をおおまかに説明し、いずれ革命まで持ってくることを言った。


「そこで紅鬼さんには戦闘をメインに・・・。」


「いくら人を殺す?」


「え?」


「どのくらいの人数だ?」


「えっと、軍の人とか・・・。」


「軍は機能しないだろうな。兵士の7割はスラムの住人だ。彼らはパレットに味方するだろう。」


紅鬼の目が変わった。光莉が一切ない。


「でも、警察もいますし。紅鬼さんの力は必要です。」


「警察も雑魚だ。スラムの住人を集めればうまくいくだろう。」


「そのスラムの知識を私達にください。」


「・・・、考えておく。」


紅鬼は立ち上がって帰った。


 その後紅鬼から連絡が来ることはなかった。


「I、紅鬼はうちに来なさそうだが大丈夫か?」


「ああ、そこのところは今スラムにいるSが兵士を集めている。」


「もしかして?」


「ああ、スラム出身の軍人だ。ざっとその数7万。相手はたった3万の軍としょぼい警察。しかもその警察は今トップの不在で統率が取れていない。さらに残りの3万の中にも裏切るものもいる。」


「これは成功するな。」


「そうだな。紅鬼がいなくても大丈夫だったな。」


「・・・、なあ。あいつ消したほうがいいんじゃないか?」


「なぜだ?」


「あいつ、もし政府のやつに依頼されたら、俺ら殺されるかもしれない。」


「・・・、それはある。こっちでなんとか手を打っておく。」


「そうか。」


外のスピーカーから音楽が流れてきた。その音楽は我々パレットの革命曲だった。

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