第4話 招待

 俺は舞白に外に出ないようしつこいくらいに言ってから外に出た。今日は仕事ではない。情報屋に会うためだ。例の場所に行くとその情報屋はもう既に前からいたそうだ。


「やあ、紅鬼。」


「・・・、黒翼。」


「どうしたんだい?」


「怪盗Yが最近動き出したと聞いた。詳しい情報を。」


「オッケー。怪盗Yはご存知、現在の義賊。主にスラムの人々に支援をするために高価な美術品を盗んでいるみたいだ。」


「だが、噂ではこれからすごいことを起こすって聞いたが。」


「彼はこの国を、この国の権力を奪うつもりだ。」


「!どうやって?」


「簡単さ。これは確定ではないけど、大統領の娘を人質にとり国の権力をいただくそうだ。」


「だが、権力を奪ったあとにやられるじゃないか。そんなの1人じゃできない。」


「それができるんだよ。そもそも怪盗Yは仲間がいる。」


「誰だ?」


「主に首都で暗躍している反政府グループ、パレット。」


「聞いたことがある。」


「確か1度依頼を受けてたよね?」


「・・・。すまないがうちは秘匿主義なんでね。」


「そうかい。その他にも裏では野党の政治家も協力しているそうだ。」


「なるほど、つまり革命か。」


「そういうことになるね。」


「・・・。」


 黒翼と別れたあと、そのまま家に直行した。


「おかえりなさい。」


奥から舞白の声が聞こえた。意外と人がいるってのも悪くない。俺は舞白に飯を与え仕事部屋に戻る。パソコンに一通のメールが届いていた。


「紅鬼殿 我々の革命に手を貸してほしい。 パレット幹部S」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る