第50話 天音はロキタンスキー症候群
天音の表情はさえなかった。
「天音、どうしたの?」
「病院で検査をしたら、ロキタンスキー症候群と診断されたの」
聞き覚えのない名前に、首を大いに傾げた。
「ロキタンスキー症候群?」
「5000人に1人の割合でかかる病気で、子宮と膣の一部もしくは全部が欠落している病気なの。子供を出産するにあたって、大きなハンデになりうる病気だよ。表情によっては出産を諦めることにもなる」
天音は子供を出産できない。ショッキングな事実に対して、言葉を失ってしまった。
「手術でどうにかならないの?」
「私の調べたところでは、根本的な治療法はないみたいだね」
天音はショックが大きいのか、地面に倒れ込んでしまった。
「天音、天音・・・・・・」
「き・・・よ・・・・ひ・・・・こ」
清彦は119番に連絡を入れると、30分ほどで救急隊員はやってきた。
「どうかしましたか?」
「妻が倒れています。病室に運んでいただけないでしょうか?」
「わかりました。すぐに搬送いたします」
天音は担架に乗せられると、救急車にのせられた。清彦は夫ということもあり、同伴することになった。
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