第8話 閃光弾


「閃光弾!」

“ビッカァ”

 目を瞑ってたのにクラクラする。

「目が目がぁー」

 自分でくらってどうするのよ?

「あぁ。戻って来た、あぁ、ゴーグルしとけば平気だと思ったのに」

 馬鹿な梅吉はほっといてこれは武器になるね。

「目がぁ、目がぁー」

 あ、ここにもアホがいた。

 酒飲みながら見ていたお菊さん、涙を流しながら目がやられたらしくフラフラしてる。

 そんな師匠を見て笑ってる三兄弟はあとで怖いんだろうな。


 ところでほかの挨拶しに来るモンスターは居ないようだ。そこまで知能がないか、遠いからかどっちかだろうな。

 キングに聞いたら爺さんが一人いるらしいがまぁ来ないだろうとのことだ。



 松竹梅三兄弟はなんのモンスターなの聞いてみたがゴブリンらしい。三人とも親が人間とゴブリンのハーフで、梅吉は目、松太は腕、竹雄は耳に身体的特徴がでてるらしい。

 だから梅吉はゴーグルつけてるんだな。歯はギザギザだし。


 相変わらずパンが好きみたいで他にも出してみるけどやはりパンがいいらしい。


 影になったキングは食べ物を食べないけど、たまにオークなどを狩ってくる。みんなの食事らしいが私はまだ食べてない。リュックがあるしね。


「ここだここ!降りろ馬鹿タレ」

『キイィィィィ』

 なんかまたやって来たようだ。

「ようやく着いたぞい」

 翼竜が怒っているようで親父の頭を突いている。

「辞めんか馬鹿たれ」

『キイィィィィ』

「うっさいわい!お、嬢ちゃん、ここの黒ライオンは何処におるか?」

「ここだ」

「おう。キング久しぶりじゃのぉ!なんじゃ領主が変わったと聞いてのぉ、挨拶に来たんじゃ」

 小さいずんぐりむっくりの姿はドワーフ?

「この雪がつぎの領主じゃ」

「なんと!この嬢ちゃんがか!へぇ、若いもんに譲るとはなぁ」

 ガハハと笑うお爺ちゃん。

「紋章を見せてみい」

「は、はい」

 右手の甲を見せると驚いたようにその手を取ると頬擦りし始める。

「やっこい手じゃのう、やっぱり若い子に限るわい!」

「エロジジイが!」

 梅吉がドロップキックをお見舞いする。

「なんじゃ梅吉!わしだってあと百歳若けりゃ」

「おんなじだろうが」

「おなじじゃないわい!」

 梅吉とお爺ちゃんが盛り上がってる最中にまた一人翼竜から降りて来た。


「私は孫のヒーリル、よろしくね」

「私は雪よ、よろしくヒーリル」

 ヒーリルは私より背が高くて170くらいあるのかな?猫のような尻尾と耳がついている。

「雪は人間?私初めて人間見たよ」

「そうなの?私は初めてだらけだけど」

「私は豹の獣人なんだー」

「そうなんだ、足が速いの?」

「そこそこかな?思いっきり走ったことないからわかんないや」

「そうなんだ、あ、翼竜はなんて名前なの?」

「この子はスピーダーって言うんだ!

「よろしくねスピーダー」

『キイ』  

 歳を聞くと私の一個上だった。


「お菓子でも食べてましょう」

「お菓子!なんだそれ?」

「スピーダーには生肉でいいかしら」

「いいよ!なんでも食うから」

 リュックから生肉を出して与えると「キイ」と言いながら食べている。


「中に入りましょう」

「はーい」

 ソファーに座りシュークリームを出す。ソファーにはお菊さんに松太と竹雄も座っていた。

「さぁどうぞ」

「うめぇ」

「中にクリームがいっぱいだ」

「いいねぇ」

「美味しいぃー」

 好評で良かった。

「雪ちゃんもう一個」

「俺も」

「僕も」

「あの、私も」

「はいはい」

 今度は飲み物も一緒に出す。ミルクティーでいいだろ。

「この飲み物も美味え」

「なんでも出せるんだな」

 リュックが大活躍だ。

「あの二人はまだ喧嘩してるのかい?」

 お菊さんが聞いてくる。

「まだみたいですね」


「はぁ、止めてくるか」

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