第82話 ぴーちゃんお兄ちゃん

『ピーヨーすーけーぇっ』

『ぴよ~(ぴーちゃんお兄ちゃ~んっ)』

ひまちゃんの前のお名前を叫びながら遠いお空から何か飛んできた!

大っきくてキレイな白い鳥さん?って思ったら


「ぼお?」

〖ぼお?ああ、たしかに燃えとるのぉ〗

そう。白い鳥さんなんだけどぉ

「ぼぼぼ」

真っ赤っか

『頭のてっぺん燃えてるです』

『『『ですです』』』

『翼半分も燃えてるです』

『『『ですです』』』

『しっぽも燃えてるです』

『『『ですです』』』

「あい。ぼぼぼ」

火が出てます。


〖あれって不死鳥だよね~〗

〖ほう、こちらの世界には本当におるんじゃのぉ〗

「ふしちょ?ながいき?」

死なない?

〖そうだね~死なないというか、死んでも復活するからね~〗

「しょっか~」

だから、ひまちゃんのこと待っててくれたんだね。


『ねぇ、神樹の精のローズ様』

『何かしら?家精霊の芙蓉ママ』

空を呆然と見上げながらママたちがお話してます。

『ぴーちゃんが伝説の不死鳥なら、タマとポチってなんだろね?』

『⋯⋯考えたくないわね』

『やっぱりかい?主は⋯⋯』


『初代様ああああああああぁぁぁ』

『『『聖十郎様っお気を確かに!』』』

『もしや、伝説の不死鳥様がこれからお隣に?はは、ははは⋯⋯』

『『『族長まで!?』』』


『⋯⋯気の毒に』

『ほんとね』

パパはしゃがみこんで頭抱えこんじゃってます。

なんかエルフの族長さんまで飛び火して白騎士さんたちが慌ててます。きっと常識人ほどついていけない状況なのでしょう。


「ぼぼぼ、おっきいにぇ」

〖大きいのぉ〗

『『『きゅん(おっきい~)』』』

おっきいねぇねやにいたんたちよりおっきいよね?


『燃えながらなんて熱くないのかしら?』

『自分の炎だから熱くないんじゃない?』

『陽葵が無事なんだから、周りも平気なのかな?』

『『『花うさぎの丸焼きは困るぴょん』』』

『『『『妖精の丸焼きも困るよ』』』』

『『『丸焼き通り越して丸焦げかもです』』』

『『『ですです』』』

『ぼくもそれは見たくないな~』

ねぇねたちもあの火が気になるよね?花うさぎさんたちも燃えてるのが気になるみたいです。花うささんや妖精さんたちはちっちゃいから一瞬で燃えちゃうかも?


「こわこわ」ぶるぶる

〖あはは、不死鳥が燃やさせうとしない限り燃えないし、熱くもないから大丈夫だよ〗

「しょう?よかっちゃ~」

『『『『『良かった~』』』』』

不思議だけど、みんな一安心だね。


そうこうしてると、不死鳥さんことぴーちゃんが


ばさっばさっ

『ピヨ助~っ』

『ぴゅい~っ(ぴーちゃんお兄ちゃ~んっ)』


スピードを落とすように翼を羽ばたかせて降りてきました。


「うきゅあああっ」

〖おっと。すごい風圧じゃな。のんちゃん大丈夫かの?〗

「あい~」

グランパが抱っこしてくれてるから大丈夫だよ。あれ?


『『『ぴゅきゅぅぅぅっ(うきゃぁぁぁぁぁっ)』』』ころころころ~


「ふあっ」

〖おやおや〗

ぽむちゃんたち、ちびちゃんずが~

〖転がってっちゃったね~。フェン⋯じゃなかったシフォン~〗

『もう、神様が止めたっていいんだよ。ちびちゃんたち大丈夫?』


ぽよよん

『『『きゅう~ん(くらくらしゅりゅ~)』』』くわんくわん


『あらら、目を回してるわね』

『びっくりしたね』

『ぼくたちに寄りかかってるといいよ』

『よしよし』ふさふさ

『『『きゅう~ん(ありがちょ~)』』』ふらふらぽふんっ

風魔法が得意なフェンリルのシフォンにぃにが風魔法でちびちゃんずを受け止めてくれました。ミルキーねぇねとシフォンにぃにが寝そべってちびちゃんずのクッションになってくれてます。ココアにいたまと、タルトにいたんは守るように立ってくれてます。にぃにのしっぽおふとん、いいなぁ。気持ち良さそう。


〖のんちゃん、ポムたちは大丈夫なようじゃ〗

〖花うさぎや、妖精たちもママとローズが守ってるしね〗

〖今はあちらを気にした方が良さそうじゃよ〗

「ふあっしょでちた」

ひまちゃんと、不死鳥さん!


『ピヨ助~やっと、やっと自由になったんだな~』お~いおいおい

『ぴよぴよ~(うん。ありがとう~)』

わあ、滝のような涙だ~

『まったく、あのバカ俺たちが依頼でいない隙に勝手なことしやがってよ。俺らがどれだけブチ切れたか!』

『ぴよぴよ~(ポチとタマも?)』

『あったりめぇだろ?あのバカ、ギッタンギッタンに叩きのめして、ひと月口も聞いてやんなかったぜ』ふんっ!

『ぴよ~(そっか~)』


おっきなひまちゃんに話しかける不死鳥さんはお顔だけでひまちゃんくらいおっきい鳥さん!ぼおぼお燃えてた火は今は消えて、その場所が赤い模様になっていて、真っ白な体に赤がポイントになったとってもきれいな鳥さんです。


『そんで?ピヨ助があの忌々しい掛け軸から出られたってことは、新しい奴が来たんだろ?どいつだ?俺様がお前にふさわしいかキッチリ見てやる!あのバカみたいにふざけたヤツなら承知しねえ!どこだ?』ギランッ


「ぴゃっ!?」

なんか怖い!?

〖よしよし。大丈夫じゃよ〗

〖あはは、なんかちょっぴりヤンキーっぽいね。頼れる兄貴って感じかな~?〗

神様二人がよしよししてくれます。


『ぴよ、ぴよぴよ~(も~、ダメだよ~ぴーちゃんお兄ちゃんてば、のんちゃんを怖がらせたらぼくが許さないんだから~)』ぷんぷん

『のんちゃん?』

『ぴよ~ぴよぴよ(そうだよ~。のんちゃんは聖一朗と違ってかわいいんだから。いじめちゃダメだよ~)』

『かわいい?』くりんっ


「ひょあっ」

こっち見た!


『な、なんだ?あの気配、あれは神気?⋯ありゃあ、神か?しかも二柱?』


〖ほっほ。中々見る目はあるようじゃのぉ〗

〖ひと目で見破られちゃいましたね~あはは〗

「う?」

普通は分からないの?

〖わしは今、半身だしのぉ。神気も抑えとるんじゃ〗

〖僕も抑えてるよ。じゃないと、僕らの恩恵でこの辺りの植物とか、育ちすぎて巨大化しちゃったりするからね~〗

「ふおぉ」

それはダメダメだぁ。


『ピヨ助、今度の主は神なのか?すごいが、可愛くはないぞ?』

『ぴよ⋯⋯(えぇ~)』

正気か?と言わんばかりの目で、こっちを鋭そうな爪で指さしながらひまちゃんを見てます。


「ふえ?」

〖〖そう来たか〗〗

『『のんちゃんが見えてない?』』

みんながズルッとしたのは仕方ない!


『ぴよ~ぴよぴよ(もぉ~違うよ。かわいいって言ったでしょ?よく見てよ~)』ぷんぷん

ひまちゃん、ちょっぴり怒ってます。

『お、おう。すまん⋯⋯ん?』


ばちっ


「ぴゃっ」

おめめ合っちゃった!


ずんずんずん


「ふ、ふぉぉ?」

〖こっちに来たの〗

〖来ちゃいましたね~〗

な、なんか怖い顔してこっちに来るよぉぉぉ


ぴたっ


『⋯⋯』

「ふ、ふぇ」

と、止まったまんまじっと見られてる?お顔近いね。


『うっお!マジ?かっわいいじゃねぇか!やったな!ピヨ助!』

『ぴよ~(でしょ~)』えっへん!


「ふえ?」

わっ!て、急に二人で盛り上がってます。


『お前、かわいい妹分欲しがってたもんな~』

『ぴよぴよ~(えへへ、のんちゃんかわいいでしょ~)』

『おう!のんって言うのか?』

「あ、あい。のんちゃんは、のんちゃん。にしゃいでしゅ」

短い指でがんばって二歳ってすると

『わはは!二になりきらないとこもかわいいな!』

「ぶー」

ちゃんと二でしょ?

『お?わりぃわりぃ!ちゃんと二だよな!』

「あい」

最初怖いと思ったけど


〖なんとも気持ちの良い性格のようじゃな〗

〖ええ。これなら安心して任せられますね〗

〖そうじゃな。この子の名はのぞみじゃよ〗

〖のんちゃんは愛称だね〗

「あい。のんちゃんはのんちゃん!」

ぴーちゃんはかっこいい鳥さんみたいです。


『そっか。希よろしくな!』

「のんちゃん!」

『ん?わかった!のんだな』

「あい!ぴーちゃん、もふもふちてい?」

さっきからとっても気になってました。風が吹くともふもふがそよそよ~って。もふもふしたい~


『もふもふ?なんか久々に聞いたな』

「ぼぼぼ、あちち、にゃい?」

『ぼぼぼ?あちち?』

『ぴよ~?(火のことじゃないかな~?)』

『ああ、これは大丈夫だぞ。熱くないぞ。触ってみるか?』

「うにゅ」

頭下げてくれたけど~

『ぴよぴよ~(ぴーちゃんお兄ちゃん、小さくなれないの~?)』

『小さく?なれるぞ。そうだな、じゃあ』ぽんっ

『これならどうだ?』ぽふん

「ふぉぉ~?」

あんな大きかったのに、ひまちゃんより小さいどころか

「にゃいぐりゅみしゃいじゅ!」

小さくなって、のんちゃんのとこに来てくれました!抱っこ出来ちゃったよ。ぬいぐるみみたい!ふわっふわのもっふもふ!

「ふにゃあああ」すりすり

きもちい~♪

『ふふん。そうだろそうだろ?俺様くらいになるとサイズなんか思いのままだからな!聖一朗の子どもたちもこうやって遊んでやったんだぜ』

『ぴよ~(さすがぴーちゃんお兄ちゃんだね~)』

「ひまちゃんも、もふもふ♪」

『ぴよ~(そうだよね~♪)』

「ね~♪」

『ん?ひまちゃん?』こてん?

ぴーちゃんが、なんだ?ってお顔してます。さっきまでのかっこいいが、嘘みたいにかわいくなってます。赤い模様が入ったシマエナガさんみたい。


『ぴよ~ぴよぴよ~(ぼくの新しい名前だよ~。みんなでつけてくれたんだ~。陽葵ひまりだよ。よろしくね~)』

「ひまちゃん、まんまりゅ。おひしゃまみちゃい♪ぽかぽか♪」

『なるほど。ヒマリか、いい名前もらったな!良かったな!ヒマリ!』

『ぴよ!(うん!)』

えへへ。気に入って貰えてよかった。


『んじゃさ、俺様の名前も頼むぜ!このかっこいい不死鳥である俺様が、ぴーちゃんなんてよ⋯⋯あのバカ、何が『鳥ならぴーちゃんしかないよね~』だ!適当いいかげんにつけやがって!』ぷるぷるぷるぷる


「ふああ」

怒ってる?

『ぴよ~(怒ってるね~)』

〖〖やっぱり⋯⋯〗〗

もしかして、ポチとタマも怒ってるんじゃ?

『ぴよ~(うん。特にポチは完全にタマに合わせられちゃった感じだし、一番怒ってるかも~)』

「ぽち」

一番可哀想な感じ?

〖ああ、さすがの俺様も、俺様よりひどい付け方されたあいつには同情するぜ〗ぐすっ

「うわぁ~」

そんなひどいんだ

『だからな、アイツらもきっと⋯⋯いや、タマはわかんねぇけど、少なくともポチは名前つけてくれって言うと思うぜ。もうすぐアイツらも来ると思うからよ。頼むな』ニカッ

「あ、あう⋯⋯」

〖日本の神、時間大丈夫ですか?またあの本が必要になりそうですよ~?〗

〖ははは、どうしようかの?〗


なんかまた、大変なことになりそうです。


『は、ははは、タマ、ポチ、今度は何が?』

『『『聖十郎様っお気をたしかに!』』』

あ、こっちも忘れてた⋯⋯


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございます。毎度、遅くなりましてすみません。

ぴーちゃんの正体、皆さんの予想は当たりましたか?

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小さな小さな花うさぎさん達に誘われて、異世界で今度こそ楽しく生きます!もふもふも来た! ひより のどか @aya-maru

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