第75話 ねぇねたちの、番!

〖じゃあ、ちゃんとお名前呼んであげようか。そうすればお話しができるようになるかもしれないよ〗

「あい!」


ぱぁぱがお名前呼んであげようって。お話できるようになりますように!


「ぽむちゃん、いにゃ⋯いなりちゃん、あんみちゅ⋯あ・ん・み・つ!ちゃん、よろちくね」


きらきらきら~っ


『ぴよ~(おお~)』

『『『光ったぴょん』』』

『『『『『光ったね』』』』』

『『『光ったです』』』


『きゃんっ(のんちゃんっ)』

『こんっ(わかるこん?)』

『きゅんっ(みんなは?)』


「ふぉぉ~」

『『『『聞こえたです!』』』』

『『『ちっちゃい子の声ぴょん!』』』

『『『『『かわい~♪』』』』』

しっかり聞こえたよ~


『ぴよ~(僕と同じ感じだね~)』

『そうね?小さい内はこんな感じだけど』

『あれ?ひまちゃん、いくつなの?』

『そうだね。陽葵でしたら普通に話せるのでは?』

『ねぇ、ひまちゃん。ひまちゃんはいくつくらいで掛け軸に封印されちゃったの?』


『ぴよ~?ぴよぴよ~ぴよ?(いくつだろ~?でもしゃべり方は聖一朗が『ピヨ助は鳥だから、ぴよって言わなきゃいけないんだぞ』って言ってたから~違うの?)』こてんっ


『『『『また聖一朗かぁぁぁ』』』』がくぅ

ねぇねたち、脱力⋯

〖聖一朗よ⋯ほんとに何をしとるんじゃ〗はぁぁ

グランパも呆れて大きなため息⋯


『初代様⋯』ずーん

ああ、パパ両手で顔覆っちゃった

『主、初代様に生き写しらしいよ』

『うう⋯』ずずーん

ああ、テーブルに突っ伏しちゃったよ。ママ~

〖聖一朗、ノリと勢いで生きるにも程があるよね~ははは〗ひくひく

『まあまあ、容姿と性格は違うものなんだから。ね?神様』

さすがに気の毒になったローズまぁま、珍しくフォロー。

〖そうじゃの。似とるのは容姿だけのようじゃの。まあ、根本的にお人好しな所は似とるがの〗

〖そうだね。躊躇無く、のんちゃんを助けてくれたりね〗

『ううっ』かああ

「うにゅ?」

『おやおや、今度は真っ赤だねぇ』にやにや

『⋯ぅるさいぞ、ママ』ぼそ

「てりぇてりぇ?」つんつん

『うぐぐ⋯のんちゃんまで』

おお、照れてる~

「よいちょ」ぐいぐい

パパの体をちょっとおこして

『のんちゃん?』

「よいちょ」むいむい

パパのお手手をちょっとどけて

「よいちょ」

パパのお膝の上に座って

「よいちょ」ぐいぐい

おしりがちょうどいいとこ探して

「ふい~」ちょ~ん

パパのお膝に座れました!

「えへへ~」にぱぁ

パパのお顔を下から見上げると

『ふふ。慰めてくれてるのかな?』ぐりぐり

パパに頭のてっぺん顎でぐりぐりされちゃいました。

「えへへ~いちゃいよ~」

『ふふふ。のんちゃんはいいこだね~』ぎゅう~

「えへ~?」

そう?そう?


『ぷっ。いいねぇ。仲良くって』

『羨ましいだろ?のんちゃんはお嫁になんかやらないよ』ぎゅむ~

「うにゅ?」

『なんでそこにいくのさ⋯』

『いいんだよ。のんちゃんはずっとここにいようね~』すりすり

「う?あい!」

もちろんいるよ!

『ふふ。約束したからね~』すりすり

『まったく、親バカだねぇ。これも初代様かね?』

〖ふふ。まあ、聖一朗のことは諦めて〗

諦めちゃうんだ

〖陽葵は普通に喋れると思うよ〗にこ


『ぴよ~?(いいの?)』

〖もちろんだよ〗にっこり

〖普通に喋れるのにわざわざ声に魔力を乗せるのも大変じゃろうて⋯〗

「ふお?まりょく?」

そんなことしてたの?

〖そうじゃよ。まあ、常にそんなことをしてても全く支障がないのは魔力が多いからじゃの〗

「ふぉぉ~ぉ」

そうなのか~

「ひまちゃん、ふちゅう、できりゅ?」

『ぴよぴよ~(わかんない。やってみるね~)』

「あい。がんばりぇ」


『ぴ、ぴよ⋯』

「う、うにゅっ」ふんぬっ

がんばれー

『ぷっ』

「う?」

なぁに?

『こほんっ。なんでもないよ』

そう?


『ぴ、ぴょ、ぴのっ』

「ぴにょっ?」

のって言った?

『ぴ、ぴ、ぴ~』

『み、み、み~』うぬぬ~

『ぶふっ』

「うにゅ?」

だからなに?


『ぶふっ、ごめんよ。でも、のんちゃんが力んでも仕方ないと思うよ』

「う?」

力んでた?

『うん。そうだね』

そっか~


〖陽葵、難しいんじゃったら別に直さんでも大丈夫じゃよ〗

『ぴよ?ぴよ~(そう?じゃあ、いっか~急には出来ないみたい~)』

「しょっか~」

でも、ひまちゃん、お話わかるしね!いっか~


『私たちが練習に付き合ってあげるわ』

『ぴよ~?(ほんと~?)』

『もちろんだよ!』

『ええ』

『まっかせて~』

『ぴよ~(ありがとう~)』

ねぇねたち優しい!


〖う~ん、聖一朗、罪作りだなぁ〗

〖まったくじゃのぉ〗

〖〖はぁぁ~〗〗

ほんとだね~


『まあまあ、じゃあ、次は神獣様たちの番だろ?』

『そうよ。どんな名前がいいのかしら?やっぱり好きな食べ物?』

「ふお~?しょーだっちゃ」

ママとまぁまが、今度はねぇねたちでしょって。


『私たちの好きな食べ物?私たちまだ料理されたものってろくに食べたことないのよ』

『だからきっと全員⋯じゃないか、スレイプニルは生の草とか生の野菜だよね』

『そうですね。私は基本草食ですから。でも、多少は他のものも食べられますよ』

『そうなんだ?ぼくらはやっぱり』

『『『『生肉!!』』』』

『よね』

『うん』

『だよね~』

『そうでしょうね』


「ふお~」

生肉はさすがに~お名前には出来ないね~


〖まあ、サクラやモミジ、ボタン、かしわに月夜など肉の別の呼び名もあるが、ちょっと抵抗あるの〗ちらっ

「ふおっダメー!」

〖そうじゃろ?それにしても、よく知っとったの?肉の別名を〗

「はちゃけにょ、おじいちゃん、おりょうりちたとき」

〖そうじゃったか〗

「あい」

サクラは馬肉だし、かしわは鶏肉だし、月夜はウサギ肉だし、絶対ダメ!


さっきグランパが見たのは陽葵と花うさぎとスレイプニルでした。ちなみにモミジは鹿で、ボタンが猪。


『私たちだって生肉の名前は』

『『『嫌!』』』

『うんうん。ちなみに野菜の名前もだめですよ』


「うにゅっ」

ダメだったか~キャロットとかキャロとか考えてたのに~

『だめですよ』

「あい」しゅん

だめか~


『属性の名なんかどうだい?魔法の名前とか』

ママが提案すると、まぁまが


『氷ならアイス、風ならウインド、火ならファイア、闇ならダークネスとか?』

『そうそう』

『う~ん、それもちょっとかわいそうじゃない?特にダークネスが』

『そうかい?かっこよくないかい?』

『う~ん』

ママの提案も却下されちゃいました。でも~のんちゃんみたいに~


「あいちゃん、ういちゃん、ふぁいちゃん、だーちゃん⋯くーちゃん?」

呼びやすくしちゃったらどうかな?


『『ん?』』

『『『『え?』』』』


「にゅ?」

ぽろっと声に出したらみんながこっち向いちゃいました。


「ありゃ?」

もしかして、決まっちゃう?


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読み頂きありがとうございます。

☆お名前、難しい~っ。石の名前にしようかと思ったりしたんですよ。水色と白が混ざった綺麗な石もみつけたんですけど、ラリマーっていう。石はイメージ通りだったんですけど、ラリマーって響きがねぇねと合わない気がして⋯なんかないかな~。

☆小話で書きましたが、花うさぎちゃんたちの話し方を変えました。それに合わせてほんの少し文章いじってます。良かったらお読みいただけると嬉しいです。

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