第76話 おかち~♪おかち~♪

魔法の名前をのんちゃんが呼びやすく変えて声に出しちゃったら


「あ、ありゃ?」

なんか、みんなこっちみてる?


『のんちゃん』ずずいっ

「あ、あい?」

ねぇね、ちょっとこあいよ?


『それは候補にしておきましょう』

「あ、あい」

お、怒られるかと思ったよ


『ねぇ?グランパ。その名づけの本に何かないの?』

まぁまがグランパの持ってる名付けの本を指さして言うと


〖うむ。パラッと見てはいるんじゃがの?風は割とあるんじゃが、氷や火、闇はあまりないんじゃよ〗

『使えないわね』

〖すまんのぉ〗


たしかに~あんまりないかも?人のお名前じゃなくて、氷っていったら何があるかな?


氷、つらら、アイススケート、甘~いアイスクリーム、アイスと言えば、ソフトクリーム、かき氷、白玉ぜんざい、ジェラート···食べたいな~うへへ~。そういえばソルベとシャーベットって何が違うのかな~?


『はいはい。のん、その内に全部作ってあげるから笑いながらお口の周りキラキラさせるのはやめようかね』ふきふき


「ほえ?」じゅる

あれ?声出てた?

『出てたねぇ』ふきふき

「ありゃりゃ」

ママが手ぬぐいでお口を吹いてくれてます。


〖あはは。食いしん坊さんだね。沢山たべておっきくならないとね〗

『ちょっと、神様!お菓子ばっかりで大きくなったら困るんだよ』

〖それもそうだね~ごめんごめん。でも、ママがその辺はしっかりやってくれるだろうから心配はしてないよ〗

『そりゃもちろんだよ。この家の健康管理は私に任せな』ふんっ

〖ふふ。頼りにしてるよ〗

のんちゃんの頭の上でそんなやり取りがされてるのに、のんちゃんの頭の中は


おかち~♪おかち~♪


風は空気~?ふわふわ綿あめ~♪軽~いメレンゲに~♪マシュマロもかな~?生クリームたっぷりシフォンケーキ~♪あれ?カルメ焼きも軽かったよね~?


闇~?闇は黒~?黒っぽいお菓子かな?あんこ、羊羹?チョコ♪ココア♪カヌレ~?


火は焼くから焼き菓子~♪クッキー、マドレーヌ~♪ケーキ♪た~くさん♪にーたんは赤いドラゴンさんだから赤いお菓子?ベリーとかいちごのタルト?食べた~い♪火でゴーってブリュレも美味しいよね~♪


『おやおや、ごきげんだね。体が揺れてるよ。のんちゃん、あんまりお菓子のことばかり考えてるとママが怒っちゃうかもしれないよ?ご飯をちゃんと食べなさいって』くすくす


「う?」

パパなんでわかったの?

『全部声に出てたからね』

「ありゃ?」

また?おかしいな?


『『『『のんちゃん』』』』ずずいっ

「う、うにゃ?」

今度はねぇねだけじゃなくて、にぃにたちまで?


『今の全部お菓子なの?』

「あ、あい」

そうだよ

『おいしいの?』

「あ、あい」

もちろんだよ

『甘いの?』

「あ、あい」

とっても

『のんちゃんはみんな好き?』

「あ、あい」

みんな大好きだよ


『ママ!』

『食べてみたい!』

『ないんですか?』

『手伝うから作って~』


『ええ?全部かい?』

『『『『うん!』』』』

さすがにママびっくり!


『だって、のんちゃんのお顔!』

「う?」

おかお?

『『『『すっごい幸せそう!』』』』

「ふお?」

しあわせそう?そりゃあ、美味しいお菓子に囲まれて~♪た~くさん好きな物食べられたら~

「ちあわしぇ♪」うっとり

だよね?ほっぺおちちゃうかも?


じい~


「う?」

みんなどうしたの?いつの間にか両手でほっぺた押さえてたのんちゃんが、そのまま不思議そうに頭をこてんってすると


『たしかに』

〖幸せそうだね〗

〖間違いないのぉ〗

『まあ、のんちゃんはお菓子作りも好きなんだもんね?』

「あい!」にぱっ

そうだよ!


『はぁ、仕方ないねぇ。神獣様たちをお迎えしたお祝いってことにしようかねぇ』


「ほあああ」きらきらきら

『『『『ほんとっ?』』』』

食べ放題?食べ放題?


『でも!今回は特別だからね!特別な時だけだよ!』


「ほああああああっ」きらきらきらきら

ということは?

『時々はあるってことね?』

だよね?ねぇね!


『しまった···言っちまったもんは仕方ない。女に二言は無いよ。ただし!本当に特別な時だけだからね!』


「やっちゃ~♪」

『『『『やった~♪』』』』


『きゃん(あっぷりゅぱいも)』

『きゅん(あんみちゅも)』

『こん(おいにゃりさんも)』


「う?」

『そうよね~ちびちゃんたちの方が先の約束だったものね。ね?ママ』くすくす

まぁまがちびちゃん達を抱っこしてなでなでしながら言うと


『分かってるよ』


『『『きゅんっ(やった~♪)』』』


『うふふ。気に入ったお菓子を名前にしようと思って』むふふ

『それ、僕も思ったんだ!』

『ボクもボクも!』

『皆同じこと考えてたみたいだね』

おお!そういうことか~


『おやまぁ、一気に責任重大になっちまったねぇ』ふぅ

ママがんばって!


『よし!それじゃ、気合い入れて作ろうかね。ちび共、いくよ!』


『『『『『イエス!マム!ですです!』』』』』


「あい!」びしっ!

のんちゃんも!


『『『『え?』』』』

「う?」

『のんちゃんも作るの?』

「あい」

そうだよ。

『え~?あぶないよ?』

『僕たちと待ってよう?』

『そうだよ~』

「え~」

お手伝いしたいな~


ぽんっ!

『それなら、畑に行って夕飯用の野菜を連れてきてくれないかい?』

「う?おやしゃい?」

『そうだよ。何がいいかねぇ?みんなで仲良く鍋でもするかい?』

『それならお野菜たくさんいるね』

『だろ?主、ローズ様も頼めるかい?』

『了解だよ』

『任せて』

〖ワシも行っていいかの?こちらの世界の野菜がどういう物か興味あるしの。ちなみにワシは大根や白菜が好きじゃの。おやつなら焼き芋も好きなんじゃが〗

『全部あるよ。それじゃ、活きのいいの連れてきとくれ』

〖了解じゃ〗

「あ~い♪がんばりゅね!えいえいおー!」


『『『『『えいえいおー!ですぅ!』』』』』


それじゃ、お菓子を待つ間、畑行こう!楽しみ~♪


〖ん?連れてくる?活き?ま、聞き間違いかの?〗


さあ!初異世界畑にレッツゴー!


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございます。

フォロー、感想、応援、星なども励みになってます。ありがとうございます!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る