第10話 日本の神様

本日2話目です。よろしくお願いします。

☆。.:*・゜☆。.:*・゜


問題って⋯

『私ですか?』


〖そうなんだよ。ごめんね、召喚が始まる前に止めたかったんだけど、間に合わなくてね。介入出来たのが発動直後だったんだ〗


『そうだったんですね』

それじゃあ、私のために何人か⋯?ぶるっ


〖あ、大丈夫だよ。犠牲者が出る前に魔法陣を破壊したからね。みんな無事だよ、安心して?〗


『そうですか。良かったです』ほっ

私のためにたくさんの人が死ぬなんて耐えられないもんね。


〖ついでにね?どこかの魔法陣が発動すると微弱ながら他の禁忌魔法の魔法陣や魔法書が反応することが分かってたら、この機会に一斉に叩き潰してやったんだ。ふふふ〗


『え?』

たたきつぶし、た?


〖何が国のため、世界のためだよね?全部自分の欲のためなんだよ。そんな事のために人の命を簡単に奪うヤツはね、この機会に神罰でね?ふふふ⋯〗


『お、おおふ⋯』

神様、相当、怒りを溜め込んでいたんだね⋯神様なのに笑顔が黒いよ


〖でね?君のことなんだ。月野 雫さん〗すっ


『え?』

私の名前?神様が真っ直ぐ私を見つめてる


〖そう。君の最後の記憶⋯覚えてるかい?〗

酷く、悲しい顔の神様が聞いてくる。


『私の最後の記憶?』

え、あ~


『私、誰かに突き飛ばされた?』

たしか交差点で信号待ちしていて、もうすぐ青信号だなと思ったら⋯


『くすくすくす』ドンっ


笑い声がして、その直後に突き飛ばされたんだ。あの声は⋯


〖そう。君を突き飛ばしたのは月野 明⋯君の姉と、その取り巻きだ〗


『⋯やっぱり』

そんな気はしてた。いつも私をいじめてたし。でも私を殺したいほど嫌ってるとは思ってなかったな


〖うん。彼女からしてみたらちょっと痛い目に合わせよう位の気持ちだったみたいだよ。鉄の塊に突っ込ませておいてそれで済むわけないのにね〗ふんっ


『あ~』

きっと、私を痛めつけても痛めつけても生きてるから、感覚が麻痺してたのかもね


〖それでね?私たちはそれを利用させてもらったんだ〗


『え?利用?』

なんか、イタズラがバレて申し訳なさそうにしてる犬みたいな顔になってる?


〖そう。今回の聖女召喚の動きを受けて、私は日本の神様とお会いしてたんだ。そこで聖女召喚の魔法陣の発動を感じた時に君を見つけたんだよ〗


『そうだったんですね』

日本の神様もご一緒だったんだ


〖さっきも言った通り、私は咄嗟に介入したんだけど、発動してしまっては、召喚は止められなかった。それと同時に君を召喚するための力を切ってしまったから、君を日本での姿のまま召喚することは出来なくなってしまったんだ〗


『あ』

そうか。でも

『他の関係ないたくさんの命が奪われるより、その方がいいです』


〖ありがとう。君は優しい子だね〗


『そんなことないです』

私は自分のために人の命が使われたなんて認めたくない、臆病なだけ


〖そんなことはないよ。君の魂は優しく綺麗だよ。とにかく、このままでは君の綺麗な魂が宙ぶらりんになってしまう。それでね、焦ったのは私だけじゃなくて、日本の神様もなんだ〗


『へ?』

日本の神様も?


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございます。ブクマ、応援などもありがとうございます!

『転生初日に~』『転生したおばあちゃん~』も、よろしくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る