第2話 小さな小さなうさぎさん達と、森の中
本日二話目です。よろしくお願いします。
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どのくらい歩いたのか、高い位置にあった太陽が沈みかけてきた。
さすがに明かりもテントも何も無いのに、このまま森の中にいるのは怖い。
というか、薄暗い今でも充分に怖い。
『ううう⋯』怖いよぉ
『⋯ごめんね、怖い?』
『⋯もうすぐだからね』
『⋯頑張って』
ぴょんぴょんと先導しながら
、小さなうさぎさん達が、震えてる私に気づいて励ましてくれる。
『う、うん』がんばる
なでなで すりすり
頭にお花や葉っぱ、木の実などを乗せた妖精さんたちも、頭やほっぺをなでなでしたり、すりすりしたり、やっぱり慰めてくれる。
みんながいてくれて良かった。
そうそう。うさぎさん達、よく見たら、しっぽがかわいいお花になっていた。だから最初お花に見えたんだね。ぴょんぴょんする度にお花が揺れてかわいい。この世界の動物さん達はみんなお花が咲いてるのかな?
みんなと森の中を進む。いよいよ本格的に日が落ちる⋯と、思ったその時
ほわんっ
『え?』
明かり?
『⋯良かった。もう大丈夫』
『⋯迎え来てくれた』
『⋯よく頑張ったね』
『え?』
おむかえ?
がさがさ
『⋯っ』びくぅっ
な、なに!?
『なんと⋯花うさぎと妖精たちが騒がしいと思ったら、本当にこんな幼子(おさなご)がいるとは』
『⋯』
ひ、人だ
『ああ、大変だ』
ひょいっ
『え?』
何が起きたの?視界が高くなった?
『かわいそうに、靴も履かずに⋯ああ、かわいい小さな足が傷だらけだ。他にも⋯』
『あ⋯』
ほんとだ。私、裸足だったんだ。気づいたら、とたんに足が痛み出した。
『ううぅっ』
痛いよぉ
『ああ、かわいそうに。今、気づいたんだね?よく頑張ったね。もう大丈夫だよ。さあ、行こう。綺麗にして手当をしようね。それにご飯も食べないとね』きゅっ
『あ⋯』
そっかあ、私、抱きしめられてるんだ。
『花うさぎも妖精たちも、よくこの子を連れてきてくれたね。君たちにもご褒美をあげないといけないな。一緒においで』ぽんぽん
『⋯』
あったかいなぁ、背中優しくぽんぽんされると落ち着く。なんだか眠くなってきちゃったな⋯
『いいんだよ。大丈夫、私たちが守ってあげるからね。今は安心しておやすみ⋯』ぽんぽん
『⋯⋯』
ほんと?ちょっと疲れちゃった⋯少し、寝か⋯せ、て⋯
『⋯⋯』すぅ⋯
そこで私の記憶はぷっつりとなくなった
ぽんぽん
『眠ってしまったな。さて⋯こんな幼子がたった一人でなぜこの神樹の森にいたのか⋯とにかく、今は家に帰ろう。さあ、君たちも疲れたろう?私に乗っていいよ』
わらわらわらわらと、あっという間にうさぎまみれ妖精まみれになった人物は、眠っている幼子を起こさぬように家路を急いだ。
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