第2話 小さな小さなうさぎさん達と、森の中

本日二話目です。よろしくお願いします。


☆。.:*・゜☆。.:*・゜


どのくらい歩いたのか、高い位置にあった太陽が沈みかけてきた。

さすがに明かりもテントも何も無いのに、このまま森の中にいるのは怖い。

というか、薄暗い今でも充分に怖い。


『ううう⋯』怖いよぉ


『⋯ごめんね、怖い?』

『⋯もうすぐだからね』

『⋯頑張って』


ぴょんぴょんと先導しながら

、小さなうさぎさん達が、震えてる私に気づいて励ましてくれる。


『う、うん』がんばる


なでなで すりすり

頭にお花や葉っぱ、木の実などを乗せた妖精さんたちも、頭やほっぺをなでなでしたり、すりすりしたり、やっぱり慰めてくれる。

みんながいてくれて良かった。

そうそう。うさぎさん達、よく見たら、しっぽがかわいいお花になっていた。だから最初お花に見えたんだね。ぴょんぴょんする度にお花が揺れてかわいい。この世界の動物さん達はみんなお花が咲いてるのかな?


みんなと森の中を進む。いよいよ本格的に日が落ちる⋯と、思ったその時


ほわんっ


『え?』

明かり?


『⋯良かった。もう大丈夫』

『⋯迎え来てくれた』

『⋯よく頑張ったね』


『え?』

おむかえ?


がさがさ

『⋯っ』びくぅっ

な、なに!?


『なんと⋯花うさぎと妖精たちが騒がしいと思ったら、本当にこんな幼子(おさなご)がいるとは』


『⋯』

ひ、人だ


『ああ、大変だ』

ひょいっ


『え?』

何が起きたの?視界が高くなった?


『かわいそうに、靴も履かずに⋯ああ、かわいい小さな足が傷だらけだ。他にも⋯』


『あ⋯』

ほんとだ。私、裸足だったんだ。気づいたら、とたんに足が痛み出した。


『ううぅっ』

痛いよぉ


『ああ、かわいそうに。今、気づいたんだね?よく頑張ったね。もう大丈夫だよ。さあ、行こう。綺麗にして手当をしようね。それにご飯も食べないとね』きゅっ


『あ⋯』

そっかあ、私、抱きしめられてるんだ。


『花うさぎも妖精たちも、よくこの子を連れてきてくれたね。君たちにもご褒美をあげないといけないな。一緒においで』ぽんぽん


『⋯』

あったかいなぁ、背中優しくぽんぽんされると落ち着く。なんだか眠くなってきちゃったな⋯


『いいんだよ。大丈夫、私たちが守ってあげるからね。今は安心しておやすみ⋯』ぽんぽん


『⋯⋯』

ほんと?ちょっと疲れちゃった⋯少し、寝か⋯せ、て⋯


『⋯⋯』すぅ⋯

そこで私の記憶はぷっつりとなくなった


ぽんぽん

『眠ってしまったな。さて⋯こんな幼子がたった一人でなぜこの神樹の森にいたのか⋯とにかく、今は家に帰ろう。さあ、君たちも疲れたろう?私に乗っていいよ』


わらわらわらわらと、あっという間にうさぎまみれ妖精まみれになった人物は、眠っている幼子を起こさぬように家路を急いだ。


☆。.:*・゜☆。.:*・゜


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