アラガツ山

「この山は上り坂でボールを転がしても重力に逆らって上に行くらしいぞ」


「そうらしいわね、早速やってみましょうよ」


そう言って、ボールを転がそうとすると

ボールは上へと登っていた。


「ほんとだったんだな、これはすごい」


「すごいわね、自分の目で見るとネットで見たことがあってもびっくりするわ」


そんな観光客たちをみて笑うものたちがいた。

「あっちの世界の奴らはまだ気づけてないんだな」


「まあ、我々の住む反対世界にすら気づいていない時点でここが境目であることもわからないだろう」


「こっちの世界に吸い寄せられる力が重力より強くてああなるんだよな、こっちも最初は気づかなかったけど、いろんな可能性を疑って気づくことができたんだ」


「あっちの世界も、たまには常識以外の視点から見てみるってことをしたほうがいいと思うな」


「まあ、発展にはその視点が必要だが、この常識に押し込めて考えてしまう間の期間も大きな進歩のためには大切な期間だ、ゆっくり待とうじゃないか」


「成長を見守ると言うのはなかなか楽しいものだからな」

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