第8話
それから俺は、後輩から懺悔のように昔のことを聞かされた。
「先輩。ですから、もう私のことは構わないでください」
「・・・」
「私の過去は消えません。当時のことは幾ら反省してもしきれないです。先輩はその結果学校中から嫌われてますし」
「・・・とりあえずさぁ」
「はい」
「被害者本人が良いって言ってんだから、ウジウジしないでくれ」
「えっ??」
「俺はアイツらを憎んでるし、嫌ってる。そんな奴らの好きにさせて後輩を巻き込んでしまった俺だって悪いんだ」
「・・・先輩」
「はぁーと言うか、もう3時間近く経つじゃん。これ以上はめんどくさいからもう終わりね」
「でも」
「反省する気があるなら!!これから俺にもっと良い態度で見せて!わかった!!」
俺の気迫に後輩はビックリする。
「はい!!わかりました!!」
「よし!!じゃあ俺は部屋に戻るから、明日も俺を気まずそうに無視したら怒るからね」
「・・・」
「わ・か・り・ましたは??」
「わかりました!!」
そして、俺は扉を開けて出ると寮長が居た。
「無理矢理だったね。」
「聞こえてましたか・・・あのままだと一向に変わらない気がして」
「・・・ありがとうね、許してくれて」
「いえ、寮長にして貰った今までに比べれば全然ですよ」
「・・・」
寮長は申し訳なさそうな顔する。
「私は誰よりも寮のためにしてくれた君がこの寮でこんな扱いを受けてるのが、寮長として申し訳なくてなぁ」
「いえ、それは大丈夫です。寮長は出来ることはしてくれましたから」
「・・・優しいなぁ君は」
「ありがとうございます。寮長に言われるなら凄く嬉しいです」
前はよく寮のメンバーから聞いたセリフだった。今は嫌味にしか思えないけど、寮長からは嬉しかった。
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