第86話 私と彼の出会い
ーミナモ目線ー
私の家族……特に父と1番上の兄はクソだった……。
私の父は『国の盾』の上層部にいた人だった。組織内ではそれなりの力がある人間だった。だが人としてはクズだ。
父は罪の無い町の女性を拉致監禁し、洗脳して、その女性を子供を産むだけの道具として扱っていた……。
その女性が私達兄弟の母である……。
1番上の兄はクズの化身と言っても過言では無い人物だった。
1番上の兄は、能力の才能があり、それなりに強い能力者ではあるが、自分より立場の低い人物は奴隷のように扱っていた。アイツは女性を自分の欲望の吐口にするようなクズだ。
アイツは反発されれば、その人に対し暴力と権力を使い、反発した人の家が破産するか、精神的におかしくなるか、自殺するまで追い込んだ。
私は父と1番上の兄はクズで大嫌いだった為、13歳の時に家を飛び出した。
そしてたまたまそこで見た目15歳くらいなのに実年齢53歳の男と出会った。
彼の名は『鉄也』。『国の盾』で『
私は父と1番上の兄は嫌いだが、2番目の兄と弟、妹は大切だった。
2番目の兄は優しく、まともな人だった。暴力を受けようが、罵倒されようが、家族に真っ当に生きてもらおうと必死に説得していた。
妹は優しい子だった。怪我をしている人や困っている人を放っては置けない性格だった。能力の才能はなかったけど、誰かの為に助けようと動くような子だった。
弟は真面目で努力家だった。誰かの為になれるようにと勉強を頑張っていた。すごく頑張り屋な子だった。彼も能力の才能はなかったが、それ以外の事で誰かの役に立とうと頑張っていた。
私にとって2番目の兄と弟、妹はとても大切で、家出した後も交流をしていた。
だが、私が14歳の時に絶望する事が起きた……。
2番目の兄は、家族の悪行を告発しようと動いていたが……1番上の兄に勘付かれ殺された……。
妹は能力の才能がなかったという理由で父親や1番上の兄から『役立たず』『一族の恥』と罵られ、虐待された。2人は私がいないタイミングを見計らい殴り、蹴り、罵声を浴びせた。それに耐えらなかった妹は首を吊り自殺してしまった。
弟は頑張ろうと必死に勉強をしていた。そんな彼が気に入らないという理由で1番上の兄は彼を交通事故に見せかけて殺してしまった。
1番上の兄はそれを楽しそうに私に語った。
私はそんなクズ達が許せなかった。
私は家族の中で飛び抜けて能力の扱いに優れていた。修行もして、クズには負けないほどの力を得た。
1番上の兄を再起不能になるまで痛め付け、それを見て慌てて駆け寄って来た父を半殺しにして家を飛び出した。
私は師匠の家に戻り、それらの事を話した。そして2番目の兄が残していた父と1番上の兄の悪行の証拠を組織に提示した。そしてついに父と1番上の兄は処罰された。
その後、私は2番目の兄、弟、妹の遺骨を私と師匠が用意した新しいお墓に埋葬した。
鬼帝
「……まさか……碧島家の当主と次期当主がそこまで腐っていたとはね……。……いつから……そんなんになってしまったんだ……」
ミナモ
「……師匠……」
鬼帝
「……ミナモさん……なんですか?」
ミナモ
「……私……強くなりたいです……」
鬼帝
「……ミナモさん……」
ミナモ
「……もう……大切な人達を……奪われないくらい……。大切な人達が……笑って……暮らせるように……強く……なりたいです……。私が……強くなって……護りたい……」
鬼帝
「……」
ミナモ
「もう……誰にも……何も……奪われたく……ない……」
鬼帝
「……」
そして、その日、私は誓った。
私は私の信じる正義の為に戦える人間になろうと……。
もう大切な人を失わないように、護れるくらい強くなろうと……。
鬼帝
「……分かった……。僕の教えられる技術の全てを君に教えよう……。けど言っておくよ。僕の修行はかなり厳しい。しっかり着いてきなさい……。そして強くなりなさい……」
ミナモ
「はい」
その出来事からしばらくして、師匠は私と同い年の男の子を連れて帰って来た。その男の子こそ『
師匠は国に害をなしたマフィアを殲滅する任務を受け、出動した場所で志木と出会い、保護する事になったらしい。
志木はどこにでもある普通の家庭で育った子供だった。とても裕福とは言えない家庭だったらしいが、彼は幸せだったと言っていた。
だが、彼は10歳の時に能力に目覚めた。その事でタチの悪いマフィアに目を付けられ、両親は目の前で殺され、妹を人質に取られてしまった。
『妹の命を護りたいのなら我々に従え』と脅され、彼はそのタチの悪いマフィアに従うしかなかったそうだ。
そして師匠がマフィアを殲滅後、志木を保護した。彼の証言から志木の妹の捜索が開始されすぐに彼の妹は発見された。
だが、彼女はすでに亡くなった後だった……。彼女はマフィア達に弄ばれて亡くなったらしい……。
師匠は、そんな彼を憐れんだ事と彼から『自分と同じような人が現れてほしくない』という強い想いを
鬼帝
「改めて……ミナモさん。君の弟弟子になる志木さんだ……。志木さん、彼女は君の姉弟子になるミナモさんだ……」
志木
「志木です。よろしくお願いします」
ミナモ
「初めまして。ミナモです」
志木
「私は強くなって、この世界から悪を取り除く。君は精々私の足を引っ張らないでくれよ」
なんて生意気な奴だ。
それが私の彼に対する第1印象だった。
ーミナモ目線終了ー
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