第83話 ギュウイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィィィィィィン

 気が付くと僕は見覚えがある神社の社の裏側に倒れていた。


鉄也

「イタタタ……。制服がボロボロだよ……」


 どことなく『A神社』に似ているな……。


 僕はなんでこんな所にいるんだ……。しかも嫌な記憶が残るこんな場所に……。


鉄也

「……」


 とりあえずコウ達が周囲にいないから探してみるか……。


 社の表の方に出てみるとそこには大怪我を負った子供とその子供を見て泣いている2人の子供がいた。


 そしてその近くにはピエロ姿の男が倒れていた。右肘、左手首、胴体が切り裂かれている。そして左胸には刺されたような傷跡がある。あの傷ではもう生きてはいないだろう。


 それにしても……あの子供達……どこか見覚えがあるような……。


 いや、そんな事を考えている場合じゃないっ!! 


 僕は倒れている子供に近付くっ!!


 酷い怪我だっ!! 左腕が爆発物で吹っ飛ばされたかのように無くなっているっ!! 左足の骨も折れているっ!! 出血の量も多いっ!! このままじゃマズいっ!!


子供1

「あ、あなたは……?」


鉄也

「大丈夫。この子は死なせないから」


 僕は大怪我をした子供に手をかざす。


鉄也

「『癒月いやしづき』」


 『癒月』は『ファントム・マジシャン』の癒しの技だ。僕の生命エネルギーを他者に分け与え、傷を癒し、破損した部位を蘇生させる技だ。僕の生命エネルギーを分け与える時に月光のような輝きを放つところからこの名を名付けた。


 よし、とりあえず子供の怪我を治せた。


鉄也

「とりあえず、傷は治したから早く病院へ連れて行ってあげて」


 そう子供達に言った瞬間、僕の意識は遠のいていった……。




















 そして再び意識が戻ると『黒霧神社』の社の前で倒れていた。


鉄也

「イタタタ……。あれ? さっきのは……夢? っ!? そうだっ!? コウ達はっ!?」


コウ

「無事だぞー」


 コウの声のした方を見るとコウ達は首から下が地面に埋まっていた……。


鉄也

「何やってんの?」


コウ

「お前が『異界』を壊しちまってよー。ニャンタロスが無理矢理こっちの空間を繋ぎ合わせて脱出したんだよー」


ニャンタロス

「急いでやったからにゃ。場所指定をしている余裕がなかったにゃ」


コウ

「まったくよー、お前って奴は後先考えねぇからよー」


ゴスペル

「にょわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!?!? 亜数っ!! いつの間に背後ににょわあぁわあぁわあぁあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!?!?」


亜数

「俺達は地面に埋まっている状態だからなっ!! どんなにやってもバレないぞっ!!」


『ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド』


ゴスペル

「うんにょわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!?!? ああぁぁぁんにょわぁんっ!? うんにょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉんっ!?!?」


ゴリラ

「なんか分からねぇけど……一件落着でいいのかなっ!!」


 地面からゴリラが這い出ながらそう言うと亜数さんは物凄い素早さで地面から出てくる。何故か全裸の状態で。


『ガシッ』


ゴリラ

「え?」


亜数

「お前の所為でこっちは大変だったんだ。その分、お前の身体でハッピーにしてもらわんとなっ!!」


『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』


 亜数さんの背後からクローゼットが出てきた。


ゴリラ

「え?」


亜数

「ハッピーにならないか?」


 亜数さんはゴリラを抱き抱えてクローゼットの中に入って行き、扉を閉める。


『な、なんだよっ!? いきなりっ!?』


『お互いとことんハッピーにならないとなっ!!』


『ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド』


『な、なんだよっ!? それっ!? そんな動きをするもんじゃねぇだろうっ!?』


『ここからが本番だっ!!』


『キュゥィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン』


『なっ!? 超高速回転だとっ!? 馬鹿なっ!? そんなモノッ!! 回転させるもんじゃねぇだろうっ!! 誰需要だよっ!?』


『試してみるか?』


『ズボッドドドドドドドドドドドドキュゥィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン』


『ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉっ!?!? と、トミーッ!! トミーッ!! 助けてくれええええぇぇぇぇぇっ!! トミイィィィィィィィィィィィィィィィッ!?!? ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉんっ!?!?』


鉄也

「ゴリラ。トミーって誰?」


『俺のネット友達だよっ!! 鉄也っ!! 頼む見ないでくれえええぇぇぇあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!?!?』


鉄也

「? 見えないけど?」


『俺の恥ずかしい声が聞こえちゃうでしょうっ!! 会話できるって事はぁっ!! 俺の恥ずかしい声が聞こえちゃうでしょうっ!?』


『ならもっと恥ずかしい声をあげさせてやろうっ!!』


『キュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥ』


『ぬおおおおおおおぉぉぉぉぉんっ!? あんっ!? らめえええええええええぇぇぇぇぇぇぇっ!?!?』


『ほほう。なかなかやるじゃないか』


『お前っ!! 分かってるっ!? ここ神社っ!! 神様の前でっ!! なんて事をおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉんっ!?!?』


『背徳感があっていいじゃあないかっ!!』


『ギュウイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィィィィィィン』


『あんほほほぉんほぉんほぉんほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉんっ!?!? どぅわああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!?!?』


 この後、救助した人達を家まで送り届け、校長先生と王帝のおっちゃんに依頼達成の報告をしました。




ー?目線ー


「怨害に攫われた部下を助けに来たら……すごいモノを見ちゃったよ……。まさか鉄也くんの能力は一時的ではあるものの……過去に遡る事もできるとは……。『神話白桜記録』に書いてある通りだ……。『白桜の巫女』には時の流れに干渉する力があると記されていた……」


??

「あぁらぁんっ!! 志木様っ!! アチシを助けに来てくれたのねぇんっ!!」


???

「おい、オカマッ!! 志木様の尻を触ろうとするんじゃあないっ!! そして志木様っ!! この度はなんとお礼を言っていいものかっ!!」


「いや、お礼なんていいさ。君達が無事で良かったよ」


??

「な、なんて慈悲深いのぉんっ!! アチシッ!! 濡れちゃうわぁっ!!」


「計画はもう実行する段階になった……。鉄也くん。待ち遠しいね」


ー?目線終了ー


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