生き別れの妹とダンジョンで再会しました 〜10年間ダンジョン内で暮らしていたら地底人発見と騒がれた。え、未納税の延滞金?払える訳ないので、地下アイドル(笑)配信者になります〜
第71話 対モンスター、集中出来ずの集団戦
第71話 対モンスター、集中出来ずの集団戦
人の本当の汚さに触れた
「……宝箱? なんだこれ――」
「――お兄ちゃん、それミミック! 近付いちゃダメ!」
「うぉおッ!?」
特に
思わず、全力でぶん殴って倒したが……オーバーダメージだったのか魔石もなし。ドロップアイテムもなし。
「まだこれから来る! お兄ちゃん、警戒を緩めないで!」
後ろから全体を良く見ている美尊の言葉に、辺りを見回す。
「スケルトンに……。あれは、ストレンジバットの群れ?」
「そう!
「おっけ! じゃ、まずは俺が上のコウモリを狙う!」
「分かった。私は下でスケルトンを相手する!」
美尊が槍を携え、
それを見て俺は、
地上で戦う美尊に、1体のストレンジバットが毒のような液体を口から吐こうとしているが――。
「――ウチの妹に、変な物を吐きかけるんじゃないよ!」
吐いた毒ごと、すくい上げるように左足を振り抜き――ストレンジバットを魔石へと変える。
さて、ライトが照らされている所には……もうストレンジバットはいないか?
試しに風属性の魔法を周囲へ放ってみる。
「――1体、
「お? 美尊もスケルトンを倒し終わったね。ナイス!」
「ありがとう、お兄ちゃん。
「どういたしまして。上から見てたけど、相手が
「うん。これが細い道だったら、もっと苦労してたかも。ミミックが
「あ~……それは俺も
パーティも同じように
勝手な行動は慎まないと……。
〈良い連携! 美尊ちゃんも上を信頼して兄貴に任せてるのが分かって最高!〉
〈大神向琉が
〈兄妹の仲良い連携見て厄介オタ顔真っ赤www〉
〈は? あたおかが悪いって言うの? バカか、何見てたん?〉
〈あ~コメント欄がウゼェ!〉
〈本当だよ。大宮愛が馬鹿な企画しなければこんなコメント欄みて嫌な気持ちにならなかったのに〉
〈ダメだコイツら。叩いてる自分は正義と
〈視聴者数から見ると10万人に1人ぐらいのヤバい奴率なんだけどな……。よくこんな気持ち悪いコメントを連投出来るわ〉
美尊の左腕から流れ出す――
思わず、ドローンに付いているディスプレイへと視線を向ける。
「なんなんだ……。この悪口コメントの数は……」
俺たちの仲を擁護する声、離れさせようという声。
そして――姉御を叩く声が、引っ切りなしに流れていく。
同時接続閲覧人数は130万人を超えているから、これでもコメントしているのは一部だとは思うけど……。
「……お兄ちゃん、見ない方が良い」
「…………」
美尊が視線を
それはそうだ。
目を背けたくもなる。
そもそも――兄妹が仲良くするのを、なんで批判されなければいけない?
詐欺に遭っているかもしれないのは俺で、他ならぬ俺自身が許している。
誹謗中傷は気持ち良くないから、止めてくれとお願いしているのに……。なんで?
正義感か?
それは間違っていると
でも、これは――暴力だ。
心に直接傷を付ける、殴るよりも治しがたい……
直接、本人を目の前に言ってないから、誹謗中傷する側の実感や罪悪感は薄いのかもしれない。
それでも、しっかりと――相手の心を傷だらけに痛めつけている。
間違った事をしていたら教えてあげようね。悪口を言われたら辛い、暴力や暴言はダメだよ。
そんなの義務教育しかまともに受けていない俺でも習った――常識のモラルだろ?
姉御に
今にも吐きそうだ……。
こんなにも人の悪意を見るぐらいなら、俺はダンジョン生きる方がよっぽど――。
「――お兄ちゃん! 危ない!」
「――……ぇ?」
コメント欄が
すかさず体勢を立て直した俺の目に映ったのは――。
美尊の左腕に絡みつく、1体のストレンジバットだった――。
―――――――――――
ここまで読んで下さり、誠にありがとうございます!
応援コメントの方も、返信こそ出来ていませんがちゃんと読ませていただいております!┌○┐
楽しかった、続きが気になる!
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