第57話 玉座の間
バギィンっと、カラカラに
魔石だけがコトンッと、ダンジョンの
〈えぇええええええええ〉
〈物理攻撃効いてるじゃねぇかwww〉
〈悲報、またしても
〈
定説を壊したのは俺じゃないです。
姉御ですから!
「お! 流石はCランクダンジョン! Dランクの時は魔石のサイズも
〈そうだねwww〉
〈まぁお金に直結するところだからカメラに写したくなる気持ちも分かるけどw〉
〈それより神通力とは一体……。あたおかと姉御の流派ってなんなん?〉
〈天心無影流だってよ〉
〈名前は知ってるw そうじゃなくて中身が知りたいんだわwww〉
〈なんにせよ、結局は物理でなんとか出来そうで安心したw マジで脳筋かよw〉
〈お兄様素敵ぃいいい! もうイメージソング流してぇえええ!〉
いやいや、こんな所でイメージソングはお披露目出来ないですよ?
予定通り――姉御が書き記した、最大級にヤバいイレギュラーポイントを目指しましょう!
脳内で地図を思い出しながら進むと――。
「――お? ここかな?」
5メートル四方はありそうな広場に出た。
見上げると、高さ4メートルぐらいの所にポッカリと大きな横穴が空いている。
〈なんだこれ?〉
〈これが正規ルート?〉
〈いやいや、正規ルートは足下に広がってるだろw〉
〈また
〈あたおかのセンサーはどうなってんだw〉
「いやいや、これね? 先ほども言った情報提供者さんから頂いたレポートに書いてあったんですけど……。一気に3階層、ボス部屋の一歩手前まで進める近道らしいんですよ。――それでは、行きます!」
〈そんな近道あるの!?〉
〈マジで有料情報だろ、それは!〉
〈えぇええええええ! ダンジョンに近道とかあるんだ!www〉
壁をよじ登り、横穴を
ドローンが入って来られるか心配だったけど、見事に着いてきている。
メタバース社の最先端技術って凄いな……。壁に当たらないギリギリを飛行している。
カメラにお尻を向けている形だけど……。
「あの、皆さん。カメラにお尻を向けているのは失礼なので……。可能な方は、俺視点のカメラへ切り替えていただけると嬉しいです!」
〈
〈こんな良いヤツが詐欺の被害に遭ってるとか、姉御クズ過ぎだろ〉
〈姉御はクズを演じて俺たちを
〈そんなの姉御を
〈お兄様のお尻! スクショしました!
姉御への議論で喧嘩を始めるコメント欄に
なんか――すっごいお尻がゾクッとしたんですけど!?
ヤバい、怖い!
お尻に視線を感じる気がする!
〈うぉおおお! 四つ這いなのに動くの早いwww〉
〈あたおか視点、なんか必死な感じがするのは気のせい?w〉
〈お尻が早く震動してるぅううう! あぁああああああああああ! ぷりぷりでキューティクル!〉
怖い怖い怖いッ!
視聴者の中にメッチャ怖い人がいるぅうううッ!
早く、早く出ないとッ!
全速力の四つ這いで進むこと数分――。
「――あ」
真っ暗闇で底が見えない――
ヤバい、落ちてる!
暗闇で上下左右の感覚が分からない!
〈ぁああああああああああ!〉
〈落ちてる落ちてる落ちてるぅううううううううう!〉
〈風切る音がぁあああああああ!〉
〈あたおか視点こえぇええええええええええ!〉
〈ドローンの光が来たけど、底が見えないじゃん! こえぇえよぉおおお!〉
〈怖すぎてVRゴーグル外した! あたおか生きてぇええええ!〉
ダンジョン2階分を落下する衝撃は――ちょっとシャレにならないって!
ドローンが照らす光に――ダンジョンの
「こっちか!
神通足で空中を蹴り――ベタッと、壁にへばり付いた。
「こわぁ……。久しぶりに
地上に出てから、油断していたのかもしれない!
胸がバクバクと騒がしい!
地上に出て姉御の顔を見た瞬間に迫る恐怖だったわ!
〈スリルやべぇええええええええ〉
〈暗闇を落下するジェットコースターに乗ってる気分だったwww〉
〈ドローン視点に戻すと、あたおかが木に掴まってるクワガタみたいw〉
〈いや、あえて例えるならG……〉
〈おい、お兄様をG扱いした奴。覚悟しとけよ?〉
〈これは、そう言われても仕方ない光景www〉
「重力的に、下はこっちですね。……じゃあ、ちゃっちゃか降りて行きま~す!」
こんな所で時間を裂く訳にはいかない!
情報通りなら――お披露目に相応しい舞台装置まで、後もう少しなんだから!
サッサと降りる!
〈動きが完全にGにしか見えないwww〉
〈壁を早く動くと、人間もキモイなwww〉
〈死にかけたシーンなのに、あたおかだとこんな空気になる謎の安心感www〉
うるさいよぉ!
俺だって一生懸命なんだから、人類が
胸中ではそんな突っ込みを入れながら、サッサと下まで降りて行く。
そして、大きな広間へと脚を降ろした。
目に魔力を込め――俺は遂に、発見した。
「……情報は確かだった。俺は来た。辿り着いた」
少し遅れて、俺が視線を送る方向へとドローンがライトを向け、浮かび上がる。
「――
ボロボロの玉座に腰掛けるのは、頭に
―――――――――――
ここまで読んで下さり、誠にありがとうございます!
楽しかった、続きが気になる!
という方は☆☆☆やブクマをしていただけると嬉しいです!
ランキング影響&作者のモチベーションの一つになりますのでよろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます