第27話 side トワイライト(3)
「あそこっ!」
ドローンの光が
だがハーピーは
この
でも
常に相手の
ハーピーが
「やぁあああッ!」
その
「――ふっ!」
ドッとダンジョンの床を転がるハーピー。
そして間もなく身体が魔石に変わり
すかさず私は槍を再び握る。
〈うおおおおおおお〉
〈かっけぇええええええええ〉
〈ナイス連携!〉
〈立て続け3匹いいいいいいいいいい!〉
3人で
「
「
安全を確認してから、背中に傷を負った私の元へ
ボウッと
ジクジクと痛んでいた背中が、まるで
そうして数十秒もすると、背中の痛みはなくなった。
「うん、傷も残さずに治癒が出来たよ。良かった……」
「ありがと。涼風はやっぱり、治癒系の魔法も上手い」
「この瞳と髪色の通り、1番は風魔法だけどね……。治癒の腕も、だいぶ上がってきたよ。サポーターとしてマルチに出来ないとだからね」
自分の
のほほんとしていて、癒やされる。ずるいぐらいに可愛いなぁ。
私以外のトワイライトは皆、愛くるしい。薄緑色の髪もインナーカラーみたいで綺麗……。
私は愛くるしさが足りない。
戦闘能力を高めるのは
お兄ちゃんが人外の行動をした分――私が責任を持って補えるように可愛くならないと!
〈やっぱダンジョン開拓ってこういうスリルだよな〉
〈広い所でハーピーと出くわすのは不運〉
〈仕方ない。
〈どの配信観てもハーピーって身を隠すの上手いし頭良いよなぁ〉
〈さすがはBランクダンジョン、手強い〉
〈
配信を視聴してくれている人たちも、戦闘が終わり
戦闘の分析だったり、
私たちを良く見てくれるのは、嬉しい。楽しんでもらえると、もっと嬉しい。
「……ごめん、美尊。ウチが
さっきラミアを倒した後、
うん、あれは確かに油断だった。
「気にしないで。……ううん、やっぱり気にして。でも自分の責任だとは思わなくて良いよ。……深紅が集中出来ない原因は、分かってる」
「…………」
私がそう返事をすると、深紅はギリッと拳を握った。
やっぱりだ。……そうだろうなとは思ってたけど、面倒な事になりそう。
その後は気を引き締めて進み、無事に今日の目標であった第2階層を少し探索して戻って来た。
ダンジョン付属ギルドへの階段の前で戦果確認を行い、軽く雑談。そしてミュートにしてから
後はそれだけだったんだけど……。
でも雑談をしている時、視聴者さんが――今の深紅に触れては行けない話題へ触れてしまった。
〈ラミア戦はハラハラした。地底人の
〈こういう開拓配信もやっぱり良いな。あっちも面白いけどw〉
そう、お兄ちゃんの名前。
実質的には人名ではないのだけれどね。
もう地底人=お兄ちゃん、
決して視聴者さんは悪意を持ってコメントをした訳ではないと思う。
でもサービス精神の
ライバル意識、
ダンライバーとしての人気。――それに多分、未知を戦闘力で切り開く開拓者としても。
でも配信中だからと感情を表に出さないようにする深紅は
その後、換金をして無事に配信を切り終えた後……少し気まずい空気が流れる。
多分、お兄ちゃんの
深紅は責任感が強くて、自分に厳しいから。
そういう負けず嫌いで頑張り屋なのに、周りを気にする所も可愛いと思う。
私たちの
ここは直接的な原因であるお兄ちゃんの、
私は深紅の隣に腰掛け、深紅の頭を撫でながら声をかける。
「深紅……。お兄ちゃんの事を気にしてるよね?」
「……してない」
「嘘吐きはダメ」
私は深紅が口にした嘘をバッサリと切り捨てる。
昔、お兄ちゃんが『絶対にいなくならない』という約束を破って
深紅もその事情を知っているからか、顔を振り上げつつも抗議の声を飲み込んでくれたみたい。
―――――――――――
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