第14話 いざダンジョン! 初配信準備!
まさか妹を部屋に入れただけで正座させられ、説教を受ける羽目になるとは……。理不尽だなぁ……。兄妹なんだから良くない? 養子入りしてて、10年振りに会うとは言えさぁ。
そんな抵抗をちょっとだけ口にしたら、「世間はそれを許してくれない。少なくとも許す流れになる迄は、炎上するような行動は
どうにも川鶴さん
素直に喜び、幸せを祝えという意見。
そして兄妹とは言え、養子入りしていて10年も離れていたら、もう男として見るべき。アイドルとして深く関わるのは慎むべきだといった意見。
ちょっと面倒だなぁとは思うけど――認められないなら、認められるように努力しよう。
そう心に決め、立ち上がった。
正座で足が
「――そんじゃ美尊。俺はいっちょダンジョンに、配信をしに行ってくるから!」
「……うん。今日は私も、パーティでダンジョン開拓配信があるから……ついていけなくて、ごめん。――Fランクダンジョンとは言え、配信は初めてなんだから油断しないでね?」
俺が長くダンジョンに暮らしていたのを知っているとは言え、心配なんだろう。
配信しながらだと、勝手が違う。
10年振りに再会した肉親を再び失う恐怖を抱く美尊を安心させる為、俺は笑顔でサムズアップして――。
「――
そう
怒られたとは言え、Dランクダンジョンに潜るのは決定事項だ。
俺だけでなく川鶴さんも説明に参加して、なんとか美尊には納得していただけた。
思っていたのとは違う見送りだったけど、妹からパワーをもらえた。
さぁ――初配信、頑張るぞ! 借金62億円、
「――こちらがD.connectを開発した世界トップ企業、マルチバースが開発した配信用ドローンです。360度カメラを搭載。ドローンに付いた小型ディスプレイでは、リアルタイムで自分の配信を視る事が出来ます。更に50キログラム迄なら荷物も積み込めます。光も魔石エネルギーを直に変換して使うので、実質ダンジョン内で光を失う事はありません」
バスケットボール4つ分ぐらいサイズだろうか。プロペラが4つあるヘリコプターのような物体が、
「うぉお~スゲぇ。空を飛んでますね!」
4つのプロペラを繋ぐ中央には荷物を置けそうな
下にはカメラがあり、これが配信のカメラとして働くのだろう。
「美尊の周りを飛んでいたのより、更にハイテク感がある! これが配信のカメラですよね?」
「こちらは最新型ですからね。カメラは自分の頭に細いベルトを巻き付け固定する物もあります。これを着ければ、視聴者は開拓者とほぼ同じ目線で楽しむ事も出来ます。視聴者がVRゴーグルを着けてVR視聴を選択すれば、実質的には同じ視線ですね」
「ほぉほぉ?」
VRってあれだよね。
なんか10年前にもあったけど、立体感を感じられる映像が見えるの。
それがダンジョン配信でも使えるなんて、凄い時代になったもんだなぁ~。
「後、ここに12個
「ほへぇ~。なんで地下深くまでネットの電波が届いてるんだって思ったんですけど……。今はこんな異次元の発明品があるんですねぇ。
「魔石と科学、マルチバースの技術力や国際ダンジョン機構の資金力による
「大人の世界ですね~。俺には便利で凄い物が出来たって事しか分からないです!」
――現実から逃げおったな、
うん、だって分からないもん。兎に角、面白くする事。俺たちは、そこに全力を注ごうか!
「これらは非常に高価なので、リース品です。絶対に、絶対に壊さないで下さいね!?」
フリじゃないよね? いや、俺も借金を増やしたくないので、フリだとしても乗らないけどさ。
「そこは全力で気を付けます! 初配信に間に合わせて下さり、ありがとうございます!」
「そうですか……。では最後に、これが配信ドローンリンク式腕時計です。これもマルチバースの最新商品なんですけど、これ1つで配信開始から終了だけでなく、自動コメント読み上げ。更には開拓者の
――
俺もそう思う。でも姉御に比べたら、まだマシかなぁ……。
――なん、じゃと……。姉御とやらがしゃべっている時は、妾は気配を殺して流すことにしよう。
うん。俺もそうしようと思う。というか、白星は姉御が道場で汗を流している姿を見ていると思うんだけど……。この言い様だと、覚えてないんだろうなぁ。
川鶴さんの説明を文字に起こしたら相当な長文だから、流し読みすると思うしね――。
―――――――――――
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