第9話 地底人、配信にて会見する(1)
「では、配信を始めますよ?」
「は、ひゃい!」
ヤバい。緊張し過ぎて声が裏返った。
スタッフは俺が緊張するからと、
いざ配信ってなると、凄く緊張する!
「はい、始まりました。シャインプロモーション公式チャンネルへようこそ」
〈きたああああああ〉
〈配信告知から〉
〈地底人が会見すると聞いて〉
〈地底人、出てこい!
「うわ、ディスプレイにコメントが滝のように流れてますよ!? 川鶴さん!」
「え、えぇっと……。開始から凄い人が来てくださっていますね。あっという間に1万名様、ありがとうございます」
1万人!?
これ、1万人も見ているの!? そんなの全校集会で皆の前に立つ比じゃない人数じゃん!……でも、不思議とそこまで緊張しない。
文字しか見えないからかな? 実際に1万人の前に立ったら――本当に死んでたと思うね!
〈地底人はよ〉
〈なんで社長と隣に座ってる男の人の間に、
〈雇われ社長、今日も疲れてそう。
〈そのイケメン誰? 新しいマネージャー? だとしたら許さん!〉
〈女の子しかいないシャインプロに男のマネージャー? は?〉
「コメントの方を拾う前に、まずは状況説明と、本日の主役に自己紹介をしていただきますね。この
〈草〉
〈人見知り社会人かよ〉
〈人見知りイケメン、可愛い。だが許さん〉
「では早速、自己紹介をお願いします」
あ、は、話が飛んできた!
これ、俺が自己紹介すれば良い流れだよな!? もらっていた台本――。
「――ああ!? だ、台本がぁあああ!」
震えて、弾き飛ばしてしまった! 台本は床の上を転がり、もう手が届かない。
〈落ち着けw〉
〈見てるこっちが緊張するわw〉
ど、どうしよう……。いや、兎に角やるしかない!
「み、皆様! 初めまして!
バッと頭を下げると、机に頭を打ち付けてしまった。
あぁ……! いきなり机を叩き割っちゃった! ど、どうしよう!?
あれだけ流れていたコメントも止まっているし……完全にやらかした!
「えぇ~……補足説明をしますね。こちらの男性が、噂の地底人こと――
川鶴さんが拍手をしながら、明るい声音で助け船を出してくれた。
ありがとう、ありがとう川鶴さん!
やっぱり、あなたは良い人だ!
〈はああああああああああ!?〉
〈あの地底人が、このイケメン!?〉
〈嘘だろぉおおおおおおおおおおおお〉
〈瞳と髪がプラチナは確かに一致! 魔力の影響だよな?〉
〈美尊ちゃんの兄なら、そりゃイケメンよな。だが許さん〉
〈え、ダンチューバーになるって言った? マジ?〉
〈10年間ダンジョンで生きてた人の開拓配信を見られるの!? やばばば! 胸熱!〉
止まっていたコメントも、再び滝のように流れ出す。
た、助かったぁ~……。
「ええ、大神さんには明日から早速、ダンジョンへと潜って配信をしてもらいます!」
川鶴さんは神様のようなお人だ――って、え?
「え? 明日から? 俺、明日からもう配信するんですか?」
「え、そうですよ?」
そんな当たり前でしょって声のトーンで言われましても……。下調べとか、したいですやん。
「あれ……わ、私、伝えてませんでしたっけ?」
「俺、聞いてないです!」
〈草〉
〈
〈弱々しいイケメン、カップリングが捗る〉
〈シャインプロは女の子だけじゃないの?
「あ、良い所に気が付かれた方がいらっしゃいますね! そうです、この度、シャインプロは――」
「――そこからは、私の口から説明しよう」
配信中にも拘わらず、部屋のドアを開き俺の横に立ったのは――姉御だった。
―――――――――――
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