第5話

▫︎◇▫︎


 結果から言って、わたしは多分………、否、十中八九絶対に選択を大きく誤った。


 結婚式を終え、アーデルハイト家に帰宅したわたしは、一応わたしのために用意されていた部屋に帰るなりベッドにダイブした。

 もちろんわたしの服装は漆黒の花嫁衣装のままである。

 何故こんなパジャマみたいな締まり気のないドレスを、寝るためだけにわざわざ脱がなければならない。しわにしようがどうなろうが、どうでも良いと思っているドレスをパジャマとして扱って何が悪い。というか、このドレス無駄に生地が良くて着心地は抜群なんだよっ!!


「はぁー、」


 ベッドでバタバタとひとしきり暴れ回ってスッキリしたわたしは、枕をぎゅうぅっと抱きしめてベッドに座り込んだ。


 結婚式の女神さまへの誓いで『愛さない』という惨めで悲しい誓いを受けた女は、多分世界中を探し回ったとしてもわたし1人。

 そう言う意味ではなんだかレアケースで特別感があるのかもしれないけれど、わたしは勿論、そういう特別を求めるたちの変態的気質を持った人間ではない。よって、これはものすっごく不本意なものである。


 やっぱり、わたしは選択を誤った。

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