第56話 チェンソーマンと火の悪魔

 今日書いたのは2000W。

 今日から第一のクライマックスを書いている。

 「やってやるぞ」と「大丈夫かな」の気持ちが半々でどうにも落ち着かない。

 何年小説を書いてもこんな感じである。

 この不安を解消するには「少しでもいいから必ず毎日書くこと」と「きちんと寝ること」が肝心。

 当たり前すぎるが、自分が体験から得た教訓である。



 今日はチェンソーマンの更新日だった。

 今回登場した火の悪魔は


「火の悪魔と契約した者は自分がなりたいものになれる」


 という特性がある。

 これを読んで改めて藤本タツキは天才だと思った。

 確かに火はどんな形にもなれる。

 しかし火の概念を問われて


「火はどんなものにもなれる」


 と考えるのは天才だけだ。

 自分のような凡才は火の概念を問われたら


「熱い」


 としか考えられない。

 これが彼我の差である。



 前回は「名称診断士」という聞きなれない職業の人物が出てきて、正義の悪魔の死体を調べ


「信者が契約したのは正義の悪魔ではないのではないか?」


 と推理した。

 この推理が当たっていたわけだが、ここもおもしろかった。

 悪魔の死体を生物学的に調べるのではなく、悪魔の名前=一般名詞=概念から悪魔の正体を類推するのである。

 こんな推理というか思考は初めて見た。

 しつこくいうが、やはり藤本タツキは天才である。


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