第5話 プロットとあやかしトライアングル

 あまりにも読まれないのでタイトルを「創作日記」から「創作亭日乗」に変えた。

 いうまでもなく「断腸亭日乗」のパクリである。

 永井荷風先生、申しわけありませんがなにとぞお目こぼしを……


 今日は仕事が終わってから2500W書いた。400Wの原稿用紙約七枚。

 肉体労働しながらこのペースは悪くない。

 プロットをしっかり作っているからこのペースを守れる。


 作家の苦悩を描いたフィクションを見ると、多くの場合それが「プロット(あらすじ)作りの苦しみ」であるのに気づく。

 たしかに創作はゼロから1を生む作業が一番苦しい。

 小説の場合このゼロから1を生む作業はほぼプロット作りに集約される。

 もっというとプロット作りで済ませておくべき課題をそのままにしておくから、本番での執筆がますます苦しくなってしまう。


 プロットなしに小説を書くのはシナリオなしに映画を撮る、あるいはネームなしに漫画を描くようなもの。

 たとえば手塚治虫のような天才ならネームなしでも漫画を描ける。

 でも残念ながらぼくやあなたは天才ではない。

 だから緻密なプロットは絶対必要だ。


 今日ジャンププラスで『あやかしトライアングル』を読んでいたら、矢吹健太朗先生のデビュー作『邪馬台幻想記』の主人公紫苑のうしろ姿がチラッと描かれていた。

 紫苑とあやかし~の主人公祭里のルックはよく似ているから、二人になにかつながりがあるだろうとは前から思っていたが、やはりうれしかった。

 矢吹先生が緻密なプロットをものにしていたから、こういう伏線の効いた展開を描けるのだと思う。

 なんとなく「こうなったらいいな~」的な詰めの甘い設定では、こういうすばらしい展開は書けない。


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