011 魔法だーッ!……?

「...このままでは風邪を引いてしまうか。ちょっとその場を動くでないぞ」


「え?あっ はい」



 言われるがままにじっとしているとロリエルフは俺に手をかざすなり、何か理解不能な言葉を喋り始めた。



 えっなにこれ恐い。と思っていると、温風が吹き始めた。



 あっ これドライヤーですわ。



 動くでない、とか言われたけどすげー動きたい。



 まだ乾いてないところがあるんだって!



 そっちじゃない!


 そっちじゃないのぉ!


 背中の左側なのぉ!


 すいませェん!



「あの、スイマセン。背中の左側の方がまだ冷たいんですけど」


「む...すまん。この魔法はそんなふうに融通が利かぬのじゃ...もう少し待ってくれんか?」


「はぁい」



 ん...ちょっと待って。



 今ヤバい単語が聞こえた気がする。



 エロじゃなくてもっとわくわくふぁんたじーな。



 あんまり良くない頭でさっきのロリエルフの言ったことを思い出す。



 ゆうずう、じゃなくてもう少し待て、じゃなくて...う~ん?



 そうだ!


 まほうだ魔法!


 これ魔法なのすっげー...?



 俺の知ってる魔法とだいぶ違うんだけど。


 なんかすげー地味なんだけど。



 なんかちょっとテンション下がったまま、俺はロリエルフに温風を浴びせられていた。



「ふぅ、こんなもんでいいじゃろう」


「...ありがとうございます」

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