010 マジでキスする5秒前。

 目が覚めると目の前にロリフの顔があった。



 目の前にだ。



 マジでキスする5秒前。



 いや、距離的に1秒前かもしれない。



 幼女の吐息が俺の唇に当たる。



 うぅん、くすぐったいけどいやじゃない。



 そのまま幼女の吐息を甘んじて浴び続けていると、幼女の目が薄っすらと開いた。



 幼女は眠たそうに目を開けて、数回パチパチと瞬きした後、むにゃむにゃと口を動かし、目を閉じた。



 そのまま数秒もたたないうちにもう一度目を開けて、はっきりと俺の目を見た。



「うぇっ うぉあああぁぁぁあ!?」



 思いっきり突き飛ばされた俺は朝露でびちゃびちゃな地面の上を勢い良く転がった。




「す、すまん。つい」


「いや、いいんです。俺もちょっとやりすぎたし」



 思うに目の前に幼女の顔があったから思考停止していたのだ。



 ほら、えっちな夢見た時によくなるやつ。



 あ、もうずっとこのままでいいやってやつ。



 つい現実逃避しちゃったんだ仕方ないね。



 いや、これが現実なんだから違うか...ん?



 とにかく、俺はロリエルフが思いっきり突き飛ばしてくれたお陰でぐしょぬれになっていた。



 いや、別にエロい意味ではなく、地面が濡れてたから。

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