SS015  街は彼らを中心に

*>>第三者視点






 場所は変わってここは同じく中心にある大きな浮島。遠目に大きな大樹の見えるこの広い空き地に集うプレイヤーはもはや数え切れない。そして、その中心にいるのはまだなも知られぬアインズの面々だった。



「地図!埋めてきたよ!あ、でも大樹の周辺は飛べなかったからところどころ空いてる!!」


「シリウス、ありがとうございます」


 この広大なイベントエリアをほとんど一日で埋めてきたシリウス。彼はその作業のあとでも元気いっぱいだ。無邪気な横顔にリンは微笑みつつ地図を確かめる。



「とりあえず、私達はめずらしそうなの片っ端から集めてきたです!あ、あと鳥のモンスターを見つけたです!逃げられたけど」


「う、うん。結構大きかった、かな?」



 資材調達に行っていたサナタリア、シズカはアイテムをレン達に〔与える〕。色んな素材に目をギラギラさせる生産職達をおさえつつレンは素材の振り分けをし始めた。


「なるほどな。見たことない素材が多い。みんなで振り分けつつ街の重要な部分に使えるかな」


 一通りアイテムを見たレンがそういうと、地図を確かめ終わったリンがタイムングを見計らったように問いかけた。


「ところでレン。基本的な区画は決まりましたが反抗的なプレイヤーなどはそれを無視して建設していますね?どうやって対応を?」



 今このクエストはアインズが仕切っている。がその他に数多いるプレイヤーはおのが道をくものも多く、そういったプレイヤーの対応もレンが対策していた。



「ああ、絶対必要な資源をこっちでおさえてる。鉱山系の浮島はあらかたうちらの生産職が抑えているからな。色々ほかのプレイヤーに協力してもらってる。それに自由に作りたいなら別にも場所がある。わざわざこっちの妨害してくる奴は、その妨害を倍にして返そう」


「…お手柔らかにお願いしますね?」


 とても腹黒い顔で独占したと言うワードが出てくる。リンはとりあえず釘は刺しておくも無駄だろうな…、と見て見ぬふりをした。

 そもそも、リン達もそんなプレイヤーを潰す側なのだから文句も言えない。強いてするならご愁傷さまという程度だ。


「ところで、今どこまでクエスト進んでるのー?」


「クエスト画面見れば乗ってますよ」


「おお!!ほんとだ!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



クエスト:資材を集めよう

状況:クリア


クエスト:地理を確かめよう

状況:クリア


クエスト:区画を作ろう

状況:クリア


クエスト:街並みを作ろう

状況:開始


サイドクエスト:モンスター?

状況:継続


サイドクエスト:地図を作ろう

状況:継続


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「地図を作ろう!は僕が出したヤツだね!!なんか地図作ってたら出てきた!」


「なるほど。色んなことをするべきですかね?」


「…」


「とりあえずクエストメインで良くないです?あまり横道に逸れると良くないです」


「ではそうしましょう。レン。街作りは頼みましたよ」


「了解」




 ここは浮島。2日目が終わる。そして3日目から。



 それはプレイヤーを巻き込んで進み出す。どちらに付くか?それは今後の未来陣営をも左右するのだ。

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