SS014  まだまだ続く

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チェインクエスト:今一度羽ばたきを手に入れて


クリア条件:「スズネ」の撃破

参加者:アキアカネ、ヒカリ

報酬:結界突破


集団報酬:結界解除

集団クリア条件:合計50回の「スズネ」の撃破


クリア状況

・個人:クリア(4位)

・集団クリア 4/50



結界突破:大樹「宿木ヤドリギ」周辺にられた飛行阻害結界を突破。飛行系スキルの使用が可能となります。


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「よし!ひとまずクリア!」


「ん。時間もちょうどいい」



 日が沈み出した光景を背に私達はその場で座り込み笑い合う。大樹のほぼ頂点から見下ろす浮島郡は絶景と言える光景を作り出していた。

 目の前にはでかでかと浮かぶクリアの文字。そしてこの大樹の中でとてもありがたみのわかった飛行系スキルの復活を確認できた。


「でも何も進まなかったね?これって集団クリアしないとダメな感じ?」


 ひとまず終わりをむかえたのものの。わざわざそれだけのためにモンスターを実装したりするだろうか?


「結界。気になる。それに、街は、できていなさそう」


 大樹の中にいてもある程度の情報は広場やニュースのように流れてくる。途中お昼頃に、リンというプレイヤー率いるパーティーがクエスト「区画を作ろう」という街づくりクエストをクリアしたことを知った。それにともなってクエストリーダーというものにリンが昇格した。といった内容のアナウンスがあったりもした。

 どこかに宝物があるだの、機械仕掛けの浮島があるだの、ひとつの浮島が焼け野原になっているなど。流れてくる情報はこの大樹以外にも様々なイベントがあることを示唆しさしている。


 全てを体験することは出来ないだろうができるだけたくさんのイベントを見て回りたい。

 運営側からしたらメインのイベントは街づくりだろう。もしかしたらその他はただのフレーバーでしかないのかもしれない。



 ただヒカリいわく、わざわざこの大樹の周辺だけ飛行できないのには理由があるのでは?と考えているらしい。確かに理由もなくこんなクエストは発生しないだろう。

 街づくりと鳥のモンスター。それに浮島というステージ。これから何があるのか検討もつかない。何も無いかもしれないけど…


 そんな話し合いの末、続きは明日からのお楽しみということにした。なんにせよ明日も楽しいことが起きそうだ。




「ほら、そろそろログアウトしよ?今日もご飯作ってあるから」


「ん」



 夜ご飯は少し遅めだが2人で食べる。だいたいいつもふたりで食べている。家の家事全般をこなしてくれる万能AIがご飯を作ってくれるのだが、どういう訳かヒカリの家のAIとうちのAIはふたり分まとめてどちらかが…。というか8割うちのAIがご飯をつくっている。

 AI同士の連携…というよりその方が楽なのかもしれない。というかヒカリが家帰ってご飯食べないからヒカリの家のAIがもうそっちで作って。と言ってるだけのような気がしなくもない。



 たまにはヒカリの家にお邪魔しに行くのもアリかな?

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