SS012 大樹の頂上
魔弾ではキリが無いと魔法を使うヒカリ。それに見習って私も魔法に切り替え、2人で大量のキツツキを1回の攻撃で
キツツキも、一度に大量にやられていく仲間を見て、2人から距離を取り、一旦突撃攻撃をやめて様子を
元々あれほどいっぱいいたキツツキだが、今は初めの数からちょうど半分ほどまで数を減らしていた。
「アキ、注意」
「うん」
半数になった途端、動きに変化があったキツツキを見て、何か攻撃パターンに変化があるかもと
が、しかし。
「あ、あれ…?」
キツツキは2人の予想とは裏腹に、そのまま逃げるように
「逃げた」
「えぇ…」
静かになった螺旋階段。逃げたキツツキを警戒しながら登るしか選択肢も無く、後を追うように登って行くしか無かった。
*
「つ、着いた…」
「てっぺん」
時は進み、朝から大樹攻略をしていたのにも関わらず、もう既に1日が終わろうと言う頃。やっとのことで大樹の頂上に到着した私とヒカリ。
あの後、倒し
〔魔法〕では大量に倒せない陣形である。
結果、魔弾と物理攻撃によって何とか突破しつつキツツキの数を減らし、何とか螺旋階段を抜けきることに成功。2人で今後あのようなことが起きならどうするかとか考え話し合いながら大樹を登る。
そして頂上。そこには大きな葉っぱや枝が上に見え、そのさらに上にうっすらと空が見える。
空はたぶん青く快晴だ。いい感じに日照りをのぞかせる葉と葉の隙間が細かく揺れチラチラと眩しい。嫌な感じはなくむしろ木々を感じる少し涼しい空間が広がっていた。
「森」
「実際はこれ一本のでかい木だけど」
なかなかこういう自然も綺麗で登って来た
そんな心休まる地ではあるのだが、何故か大樹の頂上はそれまで真っ直ぐに伸びていた幹を頂上部分だけ逆さL字のように屈折させている。そのおかげで足場には困らないが違和感が半端ない。
「で、なんで曲がってるの?」
「分からない」
そういうものだと理解するしかないが、どうやらその幹が曲がっている方向に行かなければならないらしく、2人とも辺りを見回しつつ進行を再開する。
「緑豊かでいい感じ!空気が美味しい」
「ここゲーム。だけどね」
普段のRBGとは違うファンタジーの光景。私はは大きく息を吸い、ヒカリはそんな私を見ながら無表情無表情で呟いた。
「ん。行くよ」
でもわかる。無表情だけどヒカリもどこか楽しげだ。
「はいよ。さて、そろそろボスとか出てくるでしょ」
そんなことを言うからか、大樹の葉が激しく揺れだし、明らかに雰囲気が変わる。
ガサガサうるさいが木が痛むような音は聞こえない。そしてそんな木をどかしながら奥からずんぐりむっくりした大きなスズメが現れた。
「アキ」
「うん」
「「カワイイ!」」
めちゃんこ抱きしめたい衝動。いや!抱きしめさせてもらおう!!
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