SS007 飛行禁止空域
>>アキアカネ視点
少し時間は進み。私達はとりあえず中央に
「ヒカリー。いつまでもしょげてないでしっかり歩いてください」
「アキ、ほんとに…。あれ登るの?」
「え?そうだけど」
「…」
ヒカリはあの大樹を見てほんとに登るのかと。少し嫌そうな表情…。は無く至って無表情。声色だけトーンが嫌そうな感じだ。
「なんで…。飛べないの」
そう、その苦戦の一因として、中央に近づくと
少し前にこのゲームは革命を終え空中を自由に飛び回れるようになった。そして来るイベント名は「スカイ スクランブル」なのに空に飛べないエリアが大樹周辺に展開されていた。
別にそういう状態異常でもなければ表記すらなく使えない。まるでそういう仕様のように。
「運営さんの意思じゃない?飛んでいくとすぐに着いちゃうから…」
「ぐっ…」
ふたりがめざしているのは中央の浮島にこれでもかと主張する大きな大樹。その周囲は生い
せっかくのイベント。気になった場所には行ってみようと言い出したのは私だがそれに反対意見もないので賛成したヒカリ、まさか飛行禁止エリアがあるとは思わず…。この苦行を強いてしまった。
私はまだ別段慣れているように突き進めるのだが…当のヒカリは…
「う…!?」
ドテン
飛べない=自分の足でこの荒れた地を超えなければならない。
「ヒカリ、アスレチックとか苦手だもんね」
普段物覚えが得意で戦闘も難なくこなすヒカリ。だがしかしそれは飛行有りきで、なおかつ闘技場のような綺麗な地面であったり。
不安定な地形に極端に弱いヒカリにこの状況はクリティカルヒットしていた!!
「ここ。滑る」
「しっかり足元みなよ」
「見てる。足の力加減。わからん」
1歩踏み出し片足を離した瞬間ズルっと…。そんなことを繰り返しズタボロなヒカリ。
「ほら、まだ半分位だと思うよー?」
「…」
ヒカリの地獄はまだまだこれからだ。うん…ごめんて。
ひとまずジャングルを抜けるべく私はヒカリに手を差し出しながら進むことに決めた。支えてあげないと日が暮れるほどヒカリは転けそう。
ジャングルはかなり広範囲に分布しているらしく大樹の向こう側もジャングルが続いているように見える。とりあえずたまに方角を確認するために大きな木を登っていくのだが、ジャングルの木々も中心に近づくにつれ大きくなっているようだ。
あ、ヒカリは下で待ってるよ。登れると思ってないし。
さらに進むといくつかの川も発見出来た。
「これどうやって渡っていく?」
空を飛べないということは川を越えられないということ。このゲームは未だに水泳スキルが発見されていないのも原因だが、水没するとまざ間違いなく死ぬ。リアルで泳げても絶対沈む仕様なためヒカリいわく、絶対「水泳系」のスキルが今後革命で出てくるだろうと言っていたのを思い出した。
「〔建築〕、ボート。素材ある。作れる…はず」
「なるほど」
ということで私たちは素材の中で少し保持していた木材を使い即席のボートを作っていく。これよく考えたら帰りもボートいるのかな?少しめんどくさい。
1時間かかったが2人乗れる小型のボート…らしき浮遊物ができた。幸い川の流れは穏やかなので少し川上に移動して対岸目掛けてボートをこぐ。
ん?スコップで人力ですけど何か?進めればいいのだよ!
ジャングルはまだまだ続く。
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