第25話 《カリン》ダンジョン
私はカリン。半年ぶりに馬車の御者をしています。ギルドの馬なので優秀で、少しの指示で従ってくれます。夕方までにはパムの町に到着したいので、急いでいますが、超~快適です。
マーリンさんとサラさんが、お話しています。マーリンさんが倒れた時に、回復したのがサラさんでしたか。サラさんは小柄で可愛らしく魅力的な女性です。何と言っても胸が・・・私にもあれぐらいあってもいいと思うのですが、無いものねだりですね。
レベッカさんは無口なのでしょうか。話を聞いていると思いますが、会話に参加してきません。魔法使いの三角帽子を被っていますので、表情は伺えませんが、スラっとしたキレイな方の様です。リズさんと同じでエルフ系のハーフとかでしょうかね。
ここには私を含め3人の女性がいますが、マーリンさんはどんな女性が好みなんでしょうね?気になります。
サラさんがレベッカさんとの出会いを話始めました。同じ孤児院で育った2人は、魔法の才能があって、回復士と魔法使いになったそうです。サラさんは教会に入り回復士の修行を、レベッカさんはギルドに登録して魔法使いの修行を始めたそうです。サラさんは社交的で誰とでも話せますが、レベッカさんは人見知りでサラさん以外とは、あまり話さないようです。レベッカさんは教官に教えてもらいつつ、パーティーに入りランクを上げてきたそうですが、1つのパーティーに長くは居なかったようです。パーティー仲間と馴染めなかったのかもしれませんね。私も人見知りではないですが、1つのパーティーに長くは居なかったです。
サラさんはレベッカさんは優秀だからとマーリンさんに勧めてきます。まだ狩りをしていないのでレベッカさんが優秀かはマーリンさんには分からないと思うですけどね。マーリンさんは、パーティーに魔法使いを入れる事には肯定的なようです。まぁ、サポーターと2人というのは、パーティーとして弱いですよね。
サラさんは面倒見がよくて、レベッカさんと姉妹みたいです。私もサラさんみたいな姉が欲しいなと思います。
夕方にパムに到着しました。私は馬車をギルドに止めました。ギルドは夕方という事もあり、人が多くいましたが、皆さん疲れているようです。ダンジョン探査は過酷なのでしょうか。マーリンさんがラモジュのギルドマスターからの手紙を見せると、打ち合わせ室に案内されました。
待っていると、ギルドマスターらしき壮年の男性、受付に居た女性、獣人の男性が入ってきました。ギルドマスターが現在の状況を説明してくれます。ラモジュの教官とこちらの冒険者3名が行方不明で、明日から私たちパーティーが捜索に行くようになりました。遺跡までの案内は私と同じ獣人の男性、ラル―さんがしてくれる様です。ラル―さんは犬系みたいですね。
今日はギルドに併設された宿に泊ります、と言っても、個室ですがベッドしかありません。依頼が完了したら、もう少し良い宿に泊りましょう。屋根があれば良いとか言ってた気がしますが、あれ?私、ちょっと贅沢になってるかもですね。
翌日、朝食を済ませ、ダンジョンに来ました。入り口には見上げるほどの門があり、ギルドの受付があります。マーリンさんが行程表を出し、門を開けてもらい、私たちは中に入りました。中は洞窟になっており、ほのかに光る石があちこちにあります。夜目の効く私だとこれぐらいの光で十分です。時々、コボルトやゴブリンがあらわれますが、ラル―さんが片付けます。1、2階は洞窟でしたが、3階に来ると草原になりました。あれ?いつの間に外に?という光景でビックリです。3階ではオオカミが襲ってきましたが、ボウガンを使う前にラル―さんとマーリンさんが切りました。ラル―さんも腕の良い冒険者の様です。5階は森になっていました。ここではボアの群れが襲ってきます。前衛の邪魔にならないようにボウガンを放ち、ボアを撃退していきます。レベッカさんも魔法を放ちます。レベッカさんはCランクですが、良い腕をしています。おっと上から目線で言ってしまいました。
6階の道から外れ、森の奥に入っていきます。しばらく進むと木々の無い開けた場所に石積みの丘のような建造物がありました。これが遺跡でしょうか。テントがあり、焚火跡もあります。私たちも近くにテントを張り、今日はここで泊りとなります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます