第22話 《カリン》お風呂とギルド
グラルさんの鍛冶屋でメンテナンスに出していたボーガンを受け取りました。キレイにメンテナンスされていて、グラルさんは腕の良い職人さんだなぁと思います。マーリンさんの新しい剣は、硬くて切れる剣になるそうです。剣自体が硬いと思うのですが、どういう硬さになるんでしょうか。刃こぼれしないとかですかね。私にはグラルさんとマーリンさんのお話は良く分かりませんでした。
鍛冶屋を後にして、市場をブラブラとデートかなと思ったのですが、マーリンさんはお風呂に行きたいそうです。前に1度だけ連れていかれたお風呂屋さんを知っているので、マーリンさんを案内します。
「私は外で待ってますね」
何故かは分かりませんが、大きな湖とか、大きな川とか、大量の水のある場所は嫌いです。なので、大きなお風呂はダメです。以前、連れてこられた時も体だけ洗って、お風呂には入らずに出てきました。
「すまんが、待っていてくれ」
マーリンさんは銀貨を渡してきました。お小遣いを貰わなくても、待ってますし、屋台での買い物ぐらい出来るのに、とは思いますが、マーリンさんの心遣いは嬉しいです。屋台で果汁ジュースと芋を茹でたのを購入し、川とは反対側の木陰のベンチで休憩します。魚釣りをしている方々が見えます。魚には興味がありますが、水が嫌いなので川側のベンチには行きません。暫くするとマーリンさんがお風呂屋さんから出てきました。お風呂を堪能されたようで、案内した私も嬉しいです。
この後、どうするのかな?と思っていると市場で夕飯にしたいそうです。市場には屋台と提携して食事をするテーブルが置いてあります。マーリンさんは煮込みとパンとエール、私は煮込みと果汁ジュースにしました。テーブルに持ち込み食べます。最近は自炊することが多いので、ここも遠のいていましたが、久しぶりに食べる煮込みは美味しいです。マーリンさんも満足げに食べています。この市場というか、この街は、どこの屋台で食べても一定の美味しさがあり、ハズレの屋台は無いと思います。まぁ、美味しくなければ売れませんからね。
翌日、次の依頼を探すのにギルドに来ました。混雑時を避けているので、ギルドには数人いる程度でした。マーリンさんに付いて掲示板の方に歩き出しましたが、受付のリズさんに声を掛けられました。
「マーリンさん、丁度良いところに。ギルドマスターがお話があるそうです。もし宜しければ2階の方にお願いできますか」
ギルドマスターがお話があるとの事なので、指名依頼でしょうか。マーリンさんはBランクなので指名が入っても不思議ではありません。2階って打ち合わせ室あったかな?と思っているとギルドマスター室に案内されました。初めて入るギルドマスター室は、磨き込まれた机に立派な椅子、絨毯も毛足が長くフカフカ。あれ?マーリンさんも初めて入ったと思うのですが、あまり感動していない様です。もっと凄い部屋を見てきているのでしょうか。
「よく来てくれた。すまないが指名依頼だ」
依頼内容は、ダンジョンで行方不明のBランクのシルバー教官と地元のCランク冒険者の捜索だそうです。行ったことはありませんが、あの町のダンジョンって、そんなに危険な所だったのでしょうか。私たちの他に2人追加で4人パーティーで、明日の朝、ギルドが用意した馬車で出発だそうです。御者は私ですね。
翌朝、マーリンさんとギルドに来ると、ギルドマスターと回復士のサラさん、魔法使いのレベッカさんが待っていました。レベッカさんの実力は分かりませんがCランクなので問題無いでしょう。サラさんは優秀な回復士です。私も何度もお世話になりました。おっと、上から目線になってしまいました。私はサポーター。
馬車に荷物を乗せ、私は御者台に座り、出発です。マーリンさん、早く乗ってください。
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