第41話 調略:武器屋を訪問

 ハルさんから資金を受け取り、武器屋に向かった。サラヘイム村には武器屋がないから楽しみだ。


 今回はドルハさん用の武器を見るために訪れたのだった。


「こんにちは」


 武器屋に入ると数人の客が、武器を見ていた。


 店の中にはところ狭しと武器が並んでいる。かっこいい、武器が多いなー。剣、槍、斧と色々な武器がある。


 武器屋をみるとほんと転生したという実感がわく。1日中、この店の中にいたいぐらいだ、


 店の中をひと通り眺めると、店の奥に小さな部屋があった。


 高そうな武器のみ集めた特別ルームだ。俺はその中の武器を眺めた。


「この刃の輝き、刃の湾曲さ。柄の細工。どれをを見てもすばらしい。さぞ、名高い名工がつくったのだろう」


 批評をしたあと、値段を見た。

 やっぱり1,800万もする。

 すごい剣だ。


「何言ってんだお前?」


 隣にいた女の子が、俺の見ていた剣を取り上げた。


「重心もバラバラだし、ダメだろこの剣」


 はぁ。これだから子供は。

 わかっていないのに知ったかぶりをする。


 俺も大人だ。

 相手にする必要はない。

 俺は別の剣を手に取った。


「青白く輝く刀身。これはオリハルコンに違いない。貴重な金属を名工が何日も休まずに打ち続けて作った剣、素晴らしいな」


「こんなの精錬が甘くて、青く光っているだけだろ」


 何で、この子供は俺に絡んでくるんだ?


「お客様、何かお探しですか?」


「今度の三首争奪戦で使うための剣を探してます」


「なるほど、お手に持った剣はオーダーメイドで作った件ですね。岩も一刀両断できる切れ味ですよ」


 この店では、オーダーメイドもできるのか。


「こういった剣も作れますか?」


 俺はメモ帳に書いていたいくつかの剣のデッサンを見せた。


 お金が溜まったら作ろうと考えていたものだ。


「おまえ、なんだよこの剣は」


 さっきの女の子が覗いてきた。


「この剣は斬馬刀っていって、竜でも一刀両断できるほどの刀だよ。かっこいいだろ」


「こんな人より大きい剣、振れるわけないだろ」


 男のロマンがわかってない。


 この世界だったら、これぐらい振れる力持ちの人もいるだろ。


「何でこの刀は、上下両方に刃がついているんだよ」


「双刃刀と言って、2つの刃を交互に繰り出すことで、倍のスピードで剣を繰り出せるんだよ」


「こんなの振ったら、自分の腹を切るだろ。ギャグセンス高いなおまえ」


 なんで見も知らない子供に、そんなことを言われないといけないんだ。


 俺の傑作を。


「お客様、こちらは後で見させていただくということでよろしいですか?」


「そうですね。邪魔者がいなくなってから頼みます」

と言って女の子を睨んた。


「そういえば、刃を研ぐことはできますか?」


「もちろんです。どのような剣でしょうか?」


 俺は腰に差していた、ドルハさんからもらった短剣を差し出した。


 店員さんは、チラッと見ると話した。


「その短剣でしたら、買い直した方がお得ですよ。あと、こちらの部屋は、少し整備のため閉じさせていただきます」

と言われて追い出されてしまった。


 もっと時間をかけて見たかったのに残念だ。


「その短剣だったら、買い直した方がいいのはホントだぞ。刃がかけてるし、研ぎ方もなってない。めちゃくちゃだ」


「この短剣は、俺がが初めてもらった大切な戴き物なんだよ」


「もうちょっと、よく見せてみろ」


 短剣を渡すと、いろいろな角度から短剣を確認している。


 何ものだ、この子供は。

 武器屋の関係者か?


「カイさん、この店にドワーフ村の代表が来てると聞いて、あっ!!」


ハルさんが隣にいる子供を見て驚いている。


「はじめまして、ドワーフ村のサーシャさんですよね?」


「えっ? この子、ドワーフだったの?」

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