亀姫誘い

 三つ目は、この辺りに封じられていた【亀姫誘かめひめいざない】である。由来はこうだ。


 姫路城の長壁姫おさかべひめの姉妹とされる童女の姿をした〝亀姫〟という妖怪が、かつて猪苗代城に住んでいた。今や城が失われた亀姫はあちらこちらをさ迷っているが、本質は見た目どおりの童女でもある。

 ために子供たちが遊んでいると、いつの間にか見知らぬ童女として混じることがあるという。遊びが終われば自然に消えるが、途中で亀姫に気付いたとしても決して除け者にしてはならない。

 なぜなら半分はやはり妖怪。除け者にされるや亀姫は怒り、身の丈二丈の怪女と化して笑いながらその場の人を食うという。

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