第12話_洞窟型ダンジョン

「ほほぉ?本当に洞窟だ…オラわくわくすっぞ!」


検索して出てきたダンジョンは計2つ、ひとつは5階層の初心者向けダンジョンだったのでもうひとつの今わかっている階層で計36階層のダンジョンに来ていた。


「お?ここなんか色違うな?ここで出てくるはテッテレ~小型ピッケル〜(青狸風)」


何回か叩くとボコッと岩が取れ宝石みたいな石が露出した。


「んーなになに?魔鉱石、ダンジョン内に漂う魔素によって生成された鉱石ね」


魔鉱石

ランクE

ダンジョン内にある魔素によって変化した鉱石

(鉄・魔素)


「よく見たら結構ありそうだな?…取ってよ良いかなぁ?いいとも〜!」


莉久は発掘&収納を繰り返し見える範囲を掘り尽くした。


「モンスの素材とかはあるんだがこういう鉱石とかの素材はスルーしてたんだよなぁ」


そう言ってから止まっていた歩みを進めた。


「おぉっとそこのお前、ちょっと止まれ」

「え?…あ、私無宗教なんで」

「は?っ勧誘じゃねぇよ!」


声がするほうを見ると怪しさ100倍!な怪しい男がなんかニヤニヤしながらこっちを見ていた。

俺ははっ!と思い先手を打って拒否したのだがどうやら勧誘ではなかったみたいだ


「え?あぁ売り込みですか、いやぁそういうのは間に合ってるんで」

「厄介なセールスマンでもねぇ!」


これも違った。

いや、ならしかなくないか!?と思ったのだが外れてしまった。


「いや、その、俺…そういう性癖はちょっと持ち合わせてないんだ…。」

「誰がホモだァァァ!」

「っ!びっくりした。いきなり大声を出すなよまったく…。」


やれやれと首を振りながら男を見るとこめかみをピクピクとさせていた。

どうやらオコらしい、何故だ…。

ただ俺は楽しんでいただけなのに!!


「たくっ…会って早々この会話ってどうなんだ?あ?」

「いやいや、こんなのただの挨拶じゃん?よ!ムノお久ー」

「今でも思うがよ?無能だからムノって、なんかもう少し捻れただろ」

「はっ!意義は認めねぇ!勝者の特権だ!」


もうこの会話でわかったと思うがこの人とは知り合いなのだ!ふ、シリアスなんてなかったんやで?

あ、やめて!閉じないでぇ!?


「んで?まぁたムノさんや、暴走したな?」

「いや!あれは仕方ないだろ!?あんな場面に会ったら俺の中のダークな奴が疼いちゃうだろぉ!?」

「へー、んじゃあなんでそうなったのかその時を語れや」

「スルーされた。あとなんかどこぞのヤクザみてぇなこと言ってる…。まぁ語るけど」


そこから数分後、何があったかを聞いた俺は簡潔にまとめた。


「チーム内でのアクシデント&裏切りをモンスに追いかけられてる時に出会ったから?擦り付けてお仕置きしてやろ!って思って?擦り付けたらなんか2人喰われるし1人周りのモンスを巻き込んで転移して行ったと」

「そゆこと、んでそいつどこに転移したんだ?」

「ダンジョン外だ、モンスはその時点で魔素に強制返還されたんだろうな」

「なら良かった。あの後そのモンスでチーンってなったらあれだったしな!まぁ裏切りの主犯者だけどあいつ」

「あ、そうなのか?」


俺は目の前に現れたモンスを後ろに瞬時に隠れたムノを見ながら《予め創っていた魔剣》》で瞬殺した。


「やっぱりお前のその能力ずりぃ!あ、そういや前俺の能力聞いた時なんか閃いたような顔してたよな!なぁなぁ俺の能力で思いついたの教えてくれよ!」

「やだ、自分能力だろ?自分で考えろあとめんどい」

「絶対最後が本心だろ?」


ちなみにこの魔剣のおかげでこのムノに勝ってたりする。


「ってか前に言ったアドバイスはやってんのか?」

「おぅ!今は両手を広げた範囲のところまでに抑えれるようになったぜ?」

「だからか!能力使えないのは!離れろ!」

「離れねぇ!俺を外に連れてけぇ!」


さっきから能力が使えないのは仕方ないと思っていたのだがまさかの事で驚いた。


「ってかお前外でたらあれじゃね?訴えられてオワタじゃね?」

「ふふふ、安心しろ」


ムノは片手で俺をつかみ(あ、意地でも離さないのな…。)もう片方の手でポケットからボイスレコーダーを取り出して見せてきた。


「制裁の準備は万全だ」

「俺はそれをしたお前に驚きを隠せねぇよ」


凄いドヤ顔をキメる奴の頭にひじをつきながらボイスレコーダーを貸してもらい再生した。


「あ、聴くんだ」

「だって気になるし?」

「結構胸糞だぞ?」

「まーじ?」

「まーじ」

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