第10話_無能

「クソッ!なんで発動しねぇんだ!?」

「だめっ!あき目を閉じないで!?っなんで回復してくれないの!」


剣を持ち前に出ている男は後ろにいる腹に穴を開け血を流している男と血が出ている腹に回復を施そうと頑張っている女を一瞥し前にいる敵に目線を戻した。


「ぶはっ!まじ面白ぇよおめぇら!」


敵、男は腹を抱えながら笑っていた。


「何がおかしい…!」

「いやお前さ…うすうすだか察しているんだろ?」

「っ!」


男は図星を疲れたのかビクッと身体を震わせキッと敵を睨みつけた。

が、それもまた敵を笑わせるだけだった。


「何がおかしいのよ!私たちが…私たちが何したって言うの!?私たちはあなたを知らないし関わりもない…なんで!?」


女は男の両手をお腹の上に丁寧に置いたあと敵を睨みながらそう聞いた。


「壊すのが好きだからさ」

「は?」

「え?」


男はそう真顔で言ったあとニヤリと笑いながら説明した。


「俺はな?昔無能者と言われていたのさ、なんでか分かるか?全員が持てるはずの能力を持っていなかったからさ」

「…ありえない」

「そんな嘘、信じるはずないでしょ!?」


男の話に2人はそれが嘘だと考え怒りに震えた。

話をした男はふっと笑った。


「あぁ、確かに俺は能力を確かに持っていたさ…無能と言うものをな」

「意味がわからないぞ」

「どういうことよ…」

「能力は無能、つまり能力なしという意味に思われたんだ!ははっ!俺がこの能力に気がついたのはそれからダンジョンへ無理やり連れていかれ肉壁をされそうになった時だった!あれは今思い出しても笑っちまうな!俺を肉壁にしようとした者共は皆慌てた最終的に殺されていくんだからよ!」

「ギャッ!」


その時だった、女の声が響き男は後ろを見て初めて気がついた。

周りに多数のモンスターが居ることを、そして生きているものが敵以外に自分しかいないということに


「…嘘だろ」

「さて、お前はどう壊れてくれるんだ?」

「く、クソ!」


男はそう言うとポケットからある小さい石を取りだしそれを地面にたたきつけて割った。


「へぇ?逃げるのか、まぁ良い…」


男は消えた男の場所を見ながらそういった後、男は1その血なまぐさい所を離れた。


「長い時間をかけて崩れるのもまた…いいものだろうからなぁ?」


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