第9話_ステータス

「…消えたい」

「オゥ、出だしからめっちゃネガティブだな?」


あれから泣き止んだソラは顔を赤くしそう呟いた。


「こんな事で泣くなんて…しかもモブな人に慰められるなんて」

「あれ?次なんか俺が泣きたくなってきたんだけどこんなことってある?」


なぜか心に鋭い槍をぶっ刺された気がしてならない莉久は苦い顔をした。


「…うん。切り替えよう。よし!」

「まぁいっか…。んで、話せるようになったしご要件は?」

「えっとね、ステータス見せて?」

「は?嫌だが?」


上目遣いでそう言ってきたソラに対して莉久は即答でそう返答した。


「っ!減るものじゃないし見せてくれてもいいじゃん!」

「正気か?赤の他人に個人情報をばらすようなもんだぞ?普通しないだろ」

「うぅー!じゃあ私のギルドに入って!」

「断る」

「良いじゃん!メリットたくさんあるよ!?」

「へぇ?例えば?」

「私含めた女の子ばかりのギルドってだけでもうメリット!それに大きいギルドだから買取とか装備品、アイテムも品揃え豊富だし!」


ソラのスカウトに対して莉久は考えた後、結論をだした。


「女の子ばかりってだけでメリット?デメリットの間違いだろ。それにお金にも困ってないし、アイテムだってそんなのそこらで買えばいい、もしくはオークションだな…。結論、却下」

「えぇー、デメリットって…もしかして枯れてる?他のこともそうだけどもう少し貪欲になろうよ」

「なぁ知ってる?それ、余計なお世話って言うんだぜ?」


断るがなかなか諦めないソラに対して莉久はだんだんとめんどくさく感じてきた。

べ、別に枯れてるとか言われて不快になったとかじゃないぞ?


「はぁ…。てか別に俺ここにいなくても良くね?それにこの子とも関係ないよな?…帰るか」

「え?あっちょっと!?どこ行くの!?」

「帰る」


後ろで何やら喚いている幼い子を無視しダンジョンを出たのだった。


「…ステータス表記・個人表記」


名前:莉久

ランク:━━━

能力:万能


「能力、詳細」


能力:万能

ありとあらゆることをなすことが可能であり、願い、掴むことが出来ればその時得る力の倍の力を得ることができる。


「本当、なんでもありだよなこの能力は…。最高だよ」


気持ちが落ち着いてきたのでステータスを消した。


「っと、アイテムどうしようか?…いや、今日はあれだしあの子にまた会うのは嫌だからまたいつかってことで良いか。」


そうして家に帰った。


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