第8話_エセガイドさん

「…。(皆様、向かって右手側に見えますは誰からも知られず孤独に死を迎えた悲しき白骨(スケルトン)でごさいます。)」


サクッと、いやボギッとスケさんを倒す。


「…。(そして左手側に見えますはカナズチなのにこのダンジョンでアーチャーを目指すも足を滑らせもれなくお亡くなりになってしまったじn…こほん、白骨さんです。)」


矢を打ってきたのでそれを手でつかみスケルトンのコア(分かりやすく言うなら心臓?脳?)に向け、投げ返して砕いた。


「…!(おっと!皆様ご覧下さい!こちらこのダンジョンの宝箱ですよ!いやぁまるで幽霊船にありそうな宝箱ですね!いざオープン!)」


数分歩くと岩と岩の間に宝箱が置いてあった。

パカリと蓋を開ければあら不思議、いくつもの牙と長めのしt


「…。(残念。皆様こちらただのモンスター、名前はミミッキュ…この子こんな水の中で息できるのでしょうか?エラどこよ?)」


伸びてきた舌を掴みながらそう考える莉久りくは箱を持ちあちこち触ってみた。


「…。(あ、安心してください!ちゃんと口は固定させてますので噛んだりしませんよ?ただ開いたままなので毒を含んだよだれが泡になって浮いてくるだけです。)」


どこからか安心とは?と聞こえてきたがスルーし、バキッと身と蓋に真っ二つに折って倒した。


「…。(親方!宝箱から宝箱が!これが俗に言うマトリョシカ)」


そして再度パカリと蓋を開けた。


「…。(わぁ、綺麗な歯!デジャブ!!)」


なんと宝箱ミミッキュから宝箱ミミッキュが産まれた。

そして同じやり方で倒すとまた宝箱が現れた。


「…。」


パカリ…。「グg」バキッ!


「…。(ふぅ、よく言うよな…二度あることは三度あるって!!)」


そしてこれで終わりとでも言うように片手で持てるぐらいの小さい宝箱が現れた。


「…。(ふぅ。さて皆様!これが本命、宝箱です。さぁ中身を見て見ましょう!)」


パカ「くk」バキッ!


ぼぼぼぼぼぼぼぼお宝を出せよ!?」


それから莉久はガイドもどきを楽しみながらもたまにミミッキュのマトリョシカに会ったり宝箱を見つけたりモンスターを倒したりしてダンジョンを満喫した。


「ぷはっ!俺、地上に帰還!」


見つかった宝箱は全部で40個と結構取れた。


「さて、お楽しみは家に帰ってからにしましょうかね!という訳で帰宅」


流石に精神的に疲れた莉久は若干テンションを落としながら水界ダンジョンを出ようとした。


「あ、やっと帰ってきた!」

「ウワヨウジョダ」

「幼女違う、ソラ」


ゲート前に幼女が待ち構えていた。


「そですか。じゃあの」

「いや待って!私は君を待ってたの!」

「俺は待ってないし関わりたくもないからさ」

「なんでそんな事言うのぉ」

「…それは流石に卑怯では?」


冷たく対応し過ぎてしまったのかソラは泣いてしまった。

外見幼い女の子を泣かせたことに対する自己的な罪悪感が生まれてしまう。


「はぁ、わかった。降参だ、それで?何用なんだよ」

「っ…。うぇぇん!」

「あぁもう。泣かせたの俺だけど泣くなよ」


とりあえず泣かれていては進まないと莉久は泣き止むまでソラをなだめることにした。

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