第5話_生配信を勧められる。
ある姉妹視点
「お姉ちゃん見つかった?」
「ううん。手がかりなし。そっちは?」
ある記事をスマホで読み進めながら妹に聞き返すと撮った配信動画を見返していた妹は首を左右に振った。
「全然、多分何か小さい投擲物で倒したんだと思うけど…投擲地点と思しき方側は木しか見えない…。」
「そっかぁ。あの時あのダンジョンに潜っていた人達を探ればいつか見つかるかな?」
「気が遠くなるね…それに私たちがどうして2人だけで潜ってるのか思い出して?」
「うん。分かってるよ。でも…ん?ねね!ちょっとこれ見て!」
記事のアプリを閉じてめぼしい動画を探していた姉があるひとつの動画を見つけ、それを妹に見せた。
「これ、生配信じゃないから確信できないけどかける価値はあるかも…?それにしてもワンキルって…あのボス防御力結構あったと思うんだけど?」
その動画は姉妹が潜っていたダンジョンのボスとの戦闘動画だった。
「確かにワンキルはやばいよ…。あ、コメントの方で本人がなんか言ってる…なるほど」
コメントを見た姉はニヤリと笑いそのコメントを妹にも見せた。
「これは…次にやること決まりだね。」
「だね!それまでに色々やることやっちゃおっか」
「だねぇ」
動画を見ながらにやにやと笑い合いながら2人は作業を始めるのだった。
「は、ハックシュン!」
「…あなたーの風邪に、狙いを決めて」
「ベン○ブロック!」
莉久は
「ぐふっ!?痛いって!てかそれキックだろ!?」
「ベン○ブ・ロック?つまり石にベン○ブと名ずけてそれを当てろと!」
次は投擲の素振りをしながらそう答えると仁は首を振った。
「死ぬわ!」
「大丈夫だ、問題ない」
「あるぞー?かなりあるぞー?」
「どれくらい?」
「ハンバーガーが、3個分くらいかな」
「ステンバーイ…ステンバーイ」
「嘘ですまじでやられたら俺散るのでやめてくだされ」
「お覚悟!」
「嫌だぁ!死にたくなーい!死にたくなぁーーい!!」
2人してそんな茶番をしていると教室に先生が入ってきた。
「君たち、放課後に教室で何やってるんだ…?」
「暇を持て余したぁ」
と、仁が言ったのでそれに合わせる。
「神々のぉ」
「「遊び」」
「帰れ」
「「はい。」」
どうやら先生には不評だったらしい。
2人して大人しく帰ることにした。
「あ、そうだ莉久」
「ん?どした?」
「動画ありがとな?」
「良いってことよ!んで?感想は?」
「ストレス発散の爽快感がやばい」
「それは何より」
莉久は次どんな感じに無双していこうかと考えていると仁がある提案をしてきた。
「なんだったら敵集めまくってから一撃で全てを倒す感じ?を希望する!」
「うわっ何それめんど…。てかそれ下手したらトレインになるし最悪モンスターパレードを引き起こすんじゃね?うん。捕まるわ!!」
トレインとは敵のモンスターを引き連れ、相手に引き連れたモンスターを擦り付ける行為のことを言い、これは立派な犯罪として決められていることである。
そしてモンスターパレード別名モンス
そして仁が言ったモンスターを集める事は最悪、モンスターパレードを引き起こす。これは条件を満たす確率が高いのだ。
条件は3つ、
1つ、最低50体のモンスターが集まること
2つ、約1時間以上それが維持されていること
3つ、集まるモンスターに攻撃しない事
である。
「あぁ…たしかにそうだわ。…あ、いやあそこがあるじゃん!」
「どこよ?」
「溜まりエリアだ」
「なるほど」
仁が言う溜まりエリアとはモンスターが多く居るエリアのことだ。
別名モンスタートラップともいいダンジョンの難易度にもよるが最低5から10体くらいのモンスターが集まっている。
「そこなら仁の願い叶えれそうだな」
「よっしゃ!」
「そうだ。ついでに配信でもしてみるか」
「お?生か?」
「機材がねぇよ。録画した動画」
「勿体ねぇなぁ…あ」
仁はそういった後何やら思い出したのか少し考えてこちらを見て笑った。
「なぁちょっと俺ん家寄らね?」
そんな出来事から数時間後
「と、言う訳で生配信することになった。」
:いや草
:何がと言う訳なのかがわからん
:てか仮面w外して素顔されせや
:あの動画よく作れてますね
:ってかどこそこ?ダンジョン?
「誰が素顔晒すか。ここか?ダンジョン内だな?場所は言わないぞ、凸られたりしたら嫌だからな」
そう言うと批判の声が増えた。
どうやら莉久の動画は全て作り物だと思ってしまっているのだろう。
「まぁ信じるも信じないもどっちでも良い。動画はついで、生配信は勧められての行動だ。んじゃあとりまやって行くかぁ」
こうして莉久による初の生配信が開始された。
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