第4話_深夜の草原ダンジョン
「そんで?とりあえずでチャンネルを作ったと、」
「そだよ。ほれこれ」
チャンネルを
「背景とかアイコンとかいじんないのか?」
「ついででするものだし良いかなって思った。」
「そうか?あ、とりあえずアレやっとけ」
「あれとな?」
「偽物対策。確か
「そだね。他は全部ゲストかそもそも入れてないとかかな」
「やっぱそれ聞くと今どき珍しい奴だなって思うわ。んじゃあそれを紹介欄に入れとけよ」
「了解」
それから放課後に帰宅した後、あるダンジョンへ向かった。
「やっぱこの星空…。いつ見ても見とれるなぁ」
今、莉久が居るダンジョンは深夜の草原ダンジョンと言い夜空がとても綺麗で人気のダンジョンである。だが難易度ランクB相当の結構危険なダンジョンでもある場所だ。
「っとモンスのお出ましか」
微かに聞こえる草が擦れ合う音に気が付き戦闘態勢になる。
「っ!」
「ボギャッ!!」
にゅっと顔を出したのはフクロウのような顔を持ち小人のような小さな体を持ったモンスターだった。
莉久は顔が現れたと同時に手にしていた短剣をモンスターの
「ふぅ。最初は一体だったか。それにしてもこいつ、何度見てもきもいな…。これで首がフクロウみたく回るって…ホラーだわ」
死んだことで砂のように消えたモンスターのところには拳ぐらいの石と棒が落ちていた。
「お、このダンジョン初ドロか!」
莉久は早速鑑定を使う。
フクビトの杖
フクビトが気に入った枝を杖にした物
フクビトの魔石
ランクC
「通常のドロップ品だな」
そう言ってストレージにアイテムを収納して次の階層へと続く階段を探した。
「さて、この先の草原の中心に階段があるんだが…どうすっかねぇこいつら」
莉久は歩きながら後ろを向かないように気配で周りを再度確認する。
「ってまた増えてんぞ?」
その気配は莉久を市中心にびっしりと
「大方階段のある草原で一網打尽っとこか?」
ここのダンジョンは少ないながらも小さい子並の知性があり、莉久がここまでしてきた戦闘をふまえてこういう一対多という作戦に出たのだろう。
「こういう作戦とかを思いつくからランクBなんだよなぁ。さて…そろそろか。」
そうして森を抜け草原へと足を踏み入れた時だった。
「ギェェ!」
「ギェェェェエエ工!」
「ギェェェェ!!」
……
「っといきなりのご挨拶だな!」
そう言いながら左に飛び、元いた場所に向けて右手に
「ホギャッ!?」
石はその場に攻撃したフクビトに当たり、石は貫通し奥にいたもう一体のフクビトも含めて倒された。
「おー、わらわらと出てくる出てくる。…って多いなぁ!?」
数秒で15体ぐらい森から出てきたのを見て莉久は驚いた。
「えー、土をすくいまして。投擲!」
ここのダンジョンの土は若干砂っぽいのでパラパラしている。つまりそれを投擲というスキルと自身の力をかけて広範囲にと敵に向けて投げるとどうなるか…。
「まるで
木々などが崩れる音を聞きながらそう感想をこぼした。
«レベルup»
「お?久しぶりのレベルアップでは?まぁこれだけやらかせばこうなるか」
砂埃で見えなくなっていた範囲がうっすらと見えるようになっていき、投擲し威力が届く範囲で森が削られていた。
「範囲にいたモンスターも含めて多く倒しちゃったのかもな?ってか今更だけど攻撃に人を巻き込まなくて良かったぁ!」
最悪殺人者になるところだったと莉久は恐ろしくなった。
「次からはあれだ、もう少し先を読んで事を進めよう。」
そう言って次の層についた時だった。
「きゃぁぁぁ!!」
女性の悲鳴が少し遠く離れたところから聞こえてきた。
「うわぁ…絶対めんどいやつやん。」
別に赤の他人だから見捨てることも出来るだろう。
だが人として自身の欲(ピンチを助ける奴的なもの)が少し強い莉久は面倒くさそうだが面白そうという事でその場に向かうことにした。
「お、居た。」
その場には2人の女の子とカエルの体を持った二足歩行のモンスターが居た。
「とりあえず投擲」
小石を片手で持てる量持ちそれをカエルモンスターに向けて投擲、モンスターは顔・右腕・腹とそれぞれを抉られた後、アイテムを落として消えてた。
「え…え?た、助かったの?」
「お、お姉ちゃん…。何が起こったの??」
莉久は困惑しながら当たりを見渡す女の子を確認したあとその場を後にした。
「と、ここまで来れば安心だな?んー!自己満だけどああいう場面での人助けは気持ちいいよなぁ!」
莉久はそう言いながら再度階段を探しに歩くのだった。
「さて、この無双動画は仁に送るとして、こっちのボス動画は確認後投稿しちゃうか」
そうして動画を両方に載ってた後、莉久はベットへダイブしそのまま寝た。
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