第3話_ついでで配信者になる。

あのミス配信から一夜明けた昼休みの学校


「…っ!っ!!」


犯してしまったミスの事を愚痴としてじんに話したあと、仁は笑いを必死に堪えていた。


「笑えば?」

「あははっ!おまっ!その話面白すぎ!あぁ腹痛てぇ…!」

「ふんっ!」

「ごふっ!?物理的に来た!?」


机を叩きながら笑う仁のせいで机の上にあった封を開けていたカレーパンが床に落ちてしまったのでその報いをさせるべく莉久りくは腹パンを仁にお見舞した。


「仁のせいでパン落ちたからな」

「いつつ。なら俺が悪ぃなすまん。」

「…ほんとお前そういうところ好きだわ」

「お?惚れた?」

「惚れるか!お前はどこの阿部さんよ?」

「惚れるの漢字が違う漢字になるな!」


笑いながらスマホをいじりその画像を見せてきた仁に再度腹パンをお見舞した。


「本日2度目の腹パンっ!!痛ぇ!」

「そのパラ〇イカのイラストを見せてきたからだろ?」

「いや名前違う。これは☆YA☆RA☆NA☆I☆KA☆だ!!」

「なんで無駄に発音良いんだよ…。」


それから2人で雑談をしながらお昼を済ませた。


「あ、話戻すんだけどさ」

「ん?」

「その間違って配信しちゃったやつ?今の視聴率どんな感じよ?」

「あ、消し忘れてたわ。まぁ…気になるし、あ、動画は俺も見てねぇから知らん」

「消すつもりだったのか?まぁ見てみるべ」

「おー。」


どうやら仁は間違って撮ってしまった配信が気になったらしくそれを聞いた自身も気になったので2人してその動画の視聴率を確認した。


「「は?」」


その動画には視聴率の欄には0の隣に万が載っていた。


「うっそだろ?まじかよ」

「まぁ納得だな。莉久のあの無双見れば誰もが注目するわな!」

「仁どうしよう。俺いきなり有名人になっちまった?」

「いやそんな真っ青になるなよ。こっちまで心配になるから」

「だって!はっ!そういえば俺顔写してなかった気が!確かめるか」

「いきなり顔色戻るのな?その急変に俺は驚きだよ」


早送りで見返すとギリどのシーンにも自身の顔が写っていないことが分かり莉久は安堵あんどした。


「良かったじゃん」

「ホントな。振り返れば顔写ってたら今頃こうしてゆっくりとか出来てねぇわ」

「それな。」

「あぁぁ。緊張から解き放たれて体の力が抜けるわ」

「溶けてんぞ?」

「溶けてんだ」


それから時間は飛んで放課後の帰り道


「そういえばあの動画さ、あれだけ見られてんならそのまま活動にしちまえよ」

「活動ってことは俺に配信者になれと?」

「あ、強制じゃねぇから。でも上手く行けば金はいるじゃん」

「そこまで行けたらな?そんなもんひと握りだけだ」

「いや、あの無双動画普通に好評だったじゃねぇか。コメントにも次を求める声が来てたしよ」

「いつの間に」


仁はそう言いながらその動画のコメントを見せてきた。

そのには確かに次はあるのですかと言うコメントが多くあった。


「動画1本でこれほどの視聴率取れんだから確率はたかいんじゃね?」

「確かにな…。にしてもお前やけに勧めてくるな?どうした?お前らしくねぇぞ」

「いや何、俺以外にも友達ができて欲しくてなぁ」

「うっせ!余計なお世話だ。んな事より本音はよ」

「無双動画見れてまず俺嬉しい。お金持った友達が何かと奢ってくれる可能性が高くなってまた嬉しい、最後にそんな友達を持ったことへの優越感でさらに嬉しい!ってこt」

「とりま日本海に沈めるか」

「まさかの殺害予告!」


それからも仁に配信者ーっと勧められながらも家に着いたので別れる。


「ただいまぁ」


どこにでもあるようなマンションの部屋の電気を付けて俺はベットにダイブした。


「配信者な…。確かに興味はある。」


そう言いながら新しいアカウントを作りデバイスに送る。


ダンジョン専用デバイス


:個人チャンネル/未登録(1)

:チャンネル

:動画

:配信

:地図


個人チャンネルを開き、送ったアカウントを使ってチャンネルを作る。


:ついでチャンネル


「まぁ結局のとこそこまでガッツリ配信とかめんどくさいしついで感覚で良いよな?」


とりあえず今日はもういいやとデバイスを閉じスマホをいじりはじめたのだった。


その頃、とある掲示板では


92:新人を発掘し隊@*****

日課の発掘してたら新たなチャンネルが出来てた。

URL*****


93:新人を発掘し隊@*****

»92

出来たてホヤホヤのやつじゃんw

92さんはほんといつ寝てるんですかねぇ?ww

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