第7話 それぞれの
その日宿に戻り、食堂でご飯を食べながら二人は会話をしていた。どんな人が来てくれるのか、最初はどの町に行くのか、何を持っていくのか……。
楽しみな気持ちを隠し切れずにはしゃぐリッドと不安な気持ちでいっぱいのエリーズとでそれぞれに旅の事を話していた。
「リッドはいきなり世界を救うなんて言われて怖くないの?」
「怖いわけないさ!村で一生を過ごすより何倍も楽しいに決まってるじゃん」
「今、村の人が苦しんでるのに旅なんてしてていいのかな?」
「俺らはそれを解決するために旅に出るんだから迷うことないさ!」
ため息を漏らし不安そうな気持ちを抱えながらそれぞれの部屋で眠りについた。
翌朝、朝食を食べてすぐに村へ帰った。お昼前くらい着くことができ、お互いの家で両親に賢者の話をしていた。旅に出ることを驚いてはいたものの反対されることはなかった。それからの数日間は各々の時間を過ごしていた。エリーズは少しでも旅に役立つ知識を勉強し、リッドは父親から剣術の稽古を受けていた。賢者から旅立つ準備ができたとの連絡を受けた。
旅立つ朝、両親や村の人が見送り生きてくれた。
「リッド!俺の教えてきた剣術でしっかりとエリーを守るんだぞ!」
「当たり前のこと言うな親父!エリーは俺がしっかり守るさ!」
「エリー、しっかりと賢者様のお勤めを果たしてきなさい」
「はい、お父様」
それぞれの気持ちが残る中、馬車に乗り込み姿が見えなくなるまで手を振っていた。
The Story of Elise @youyou516
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