ルースの希望
モゼとパレードがルースに到着したところから始まります
――――――
「これは……⁉」
「街が……」
モゼとパレードがルースにつくと街は火の海に飲まれていた
近づくと人々の悲鳴が耳を塞ぎたくなるほど聞こえる
ここは地獄か……?いや、それより酷い
それしか頭の中に出てこない。地獄より地獄だ
罪もない人々が火に焼かれ苦しみ、幸せに暮らしていた我が家は焼け落ちる
乗り込みに行かなければこんなことにはならなかった
俺は衝動で本部に乗り込む決断をした自分を憎んだ
どう責任を取る?お前のせいだ
後悔、憎しみの権化が
「モゼさん!!考えるのは後です!!!今は人々を助けましょう!!」
「あ、あ……うん」
パレードの声で正気に戻れた。パレードの言う通りだ、今は人々を助けなきゃ
手分けして残っている人々を
民家の多くは火が回っていて入れそうにないが、まだ火が回っていない民家に残っている人々を外に出し
「こっちです!!急いで!!」
「ありがとうございます……」
「しっかり掴まっていて下さい!」
俺も人々を背中に乗せ、
ルースの外に向かって飛んでいく。空から見るルースの景色は凄惨なものだった
綺麗な街並みが火の海に飲まれ、空にいてもかすかに人々の悲鳴が聞こえる
「避難所に入れさせろ!」
「ここに赤ん坊がいるのよ!入れてよ!」
「落ち着いて下さい!ここは人がいっぱいなんです!」
「何が起きてるんですか?」
「ここは避難所なんですが、簡易的なものなので収容人数に限りがあって……キャンプを立てるなどして人々を受け入れてるんですが、人が次々来るのできりがなくて」
ルースの外に出ると林道に人々が大勢並んでいた
既にいっぱいということか。新しいものを作れたらいいが……いや、良い建物がある
「なら、この先に丁度いい建物があります。そこに人々を運びましょう」
「どうやって?」
「
「え?龍!?デカッ!!」
モゼは
魔法を唱えると
人々は突然現れた龍に困惑する。モゼと会話していた人は目を丸くして目の前で起こる出来事を見ていた
よし、これで全員乗れるはずだ。ルベウス旅団の本部まで運ぼう
あそこには見張りはいるが幹部や大将はいない
「皆さんこれに乗って下さい!!」
「これに……?」
「こんなのに乗れるのか?」
「いいから早く!!あなたたちを安全な場所まで連れていきます!!!」
モゼとパレードは大声で人々を説得し、全員背中に乗せることに成功する
巨大化した
音を豪快に立てながら空へ飛び立っていく。乗っている人々は突然体が浮き絶叫した
あとは見張りを倒すだけか。倒すの面倒だな
ボスの亡骸使ってどうにかならないかな
「パレード。絶対パニックにならないでね」
「え?ちょっと言ってることの意味が……」
「お願いだよ!
「ちょ、ちょっとモゼさん!?あ、あ、あ……イヤァァァ!!」
モゼはパレードに念を押して言うと目の前から姿を消した
パレードは突然モゼが消えたことと、高所の中
パレードの悲鳴は空高く響き渡り、乗っている人々に丸聞こえだった
後に
――――――
「よく寝てるな。こいつを見張りに見せびらかせば戦意喪失するだろ」
モゼは本部の中に立ち入り、ビクトリアの亡骸を見つけると首を根っこを掴み引きずって外まで運んだ
こいつ、重い……杖なんか持ってるせいだ。こんな杖捨てとけ
「いやー助かったよ」
「紅玉が喋った!?」
「おかげで
モゼがビクトリアが握っている杖を奪い、そこら辺に投げると紅玉が突然喋りだした
喋った……あれ?この光景、前に見た気がする
モゼの脳内にギルドにいた水晶の魔物が思い起こされる
「こいつ俺様の魔力使いまくるからさ、おかげでヘトヘトだよ」
なるほど、高威力の魔法ポンポン唱えると思ったら魔物のおかげか
魔物の魔力と自分の魔力を両方使っていたわけか。
1−2だったということか。ビクトリア自身大したことないんじゃ
「ほんとに助かったよ。お礼に君の力になるね」
「え?」
魔物はそう言うと球体から指輪に姿を変え、モゼの右の小指に収まった
指輪にはルビーのような宝石がついており美しい輝きを放っている
力がみなぎるのを感じる。この指輪のおかげか
「これで僕の魔力と火魔法の威力が上がるよ」
「いいの?」
「いいんだよ。君がいなかったら、ずっと
「俺はモゼ。名前は?」
「俺様はイータルだ。モゼ、よろしく。俺様はヘトヘトだから寝るよ」
イータルがそう言うと声が全くしなくなった
新たな仲間が増えた。パレードに教えよう
の、前に早く見張りをどうにかしないと
「おい、お前たちのボスはやられたぞ。降参しろ」
「ビクトリア様!?お、お前がやったのか……?」
「それ以外あるか?」
「ひぃ……!!何でもしますので命だけは!!」
「なら、これからルース市民がやってくる。丁重にもてなして世話しろ。手出したら分かってるな?こいつより酷い目に遭うぞ」
「は、はい……分かってます」
俺は念を押して脅しておいた
あれだけビビって腰を引かせていたら大丈夫だろう
この調子で他のやつらも手なづけていこう
――――――
「パレード?」
「いきなり消えないで下さいよ!怖かった……」
「ごめん。でも、ありがとう。おかげで全員無事じゃん」
「うっ……ヒック」
パレードはモゼが目の前に現れると安心して泣き出した
モゼは何とか泣き止ませようとするが、言葉が出てこない
悪い事しちゃったな。何したら泣き止んでくれるかな
あとでご馳走するとかかな
「とりあえずさ、今は落ち着こう」
「もう大丈夫です。落ち着いてます」
「あとでご馳走するから」
「お願いします」
何とかなったかな。ご馳走するって言う前に落ち着いてたけど
パレードを泣き止ませていたら建物が見えてきた。あとのことは
「もうそろそろだ」
「見張りがいますよ。倒しますか?」
「それなら大丈夫。倒す必要はない」
「え?」
パレードはモゼの言っている意味が理解で出来なかった
「み、みなさん!ど、どうぞこちらに!」
「あと頼むよ。手出したら分かってるよね?」
「は、はい!!」
この様子なら変なことはしなさそうだけど一応
何かあったら制裁してもらおう
「パレード、街に戻ろう」
「はい」
どうやって戻ろうか。
移動手段が無いな。俺一人なら
ん?
通常、
自由自在の力なら何とかなるんじゃないか
「パレード、しっかり手握って」
「え?分かりました」
パレードはモゼに言われた通りギュッと手を握った
パレード力強!!手壊れる!
早く飛ばないと!!
「
「……ここは」
「成功。あとは火を消すか」
パレードが目を開けると目の前には火の海が広がっていた
火は収まってはおらず建物を次々に飲み込んでいる
「
「雨?」
「正確に言うと雨の滝だね」
モゼが魔法を唱えると水が滝のようにルースに振り注ぐ
勢いよく降り注ぐ水でルースを飲み込んでいた火は消火されていく
これで火は収まった。あとはこの街に残ってる構成員たちか
バラけてるから倒すのに時間がかかる
「あとは構成員たちを倒せば終わる。あいつらがいる限り、いつ街に火を付けられるか分からない」
「手分けして探しますか?」
「うん。街には他の冒険者も残ってる。その人たちにも協力してもらおう」
「分かりました!」
パレードとモゼはそれぞれ別方向に走っていき残党倒しに向かった
まだ完全に終わったわけじゃない。この街に残ってる構成員は全員倒す
それでルベウス旅団は本当に壊滅だ
アドナイ様、力を下さりありがとうございます!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます