スマホ
二髪ハル
プロローグ
「……」
……はぁ。
ずっとため息が出てしまうほど親戚の
横まで見てみるとずっとアプリのゲームだったりLINEで友達とメッセージのばかりでなにか会話しようとするとキレらだけで正直に言うと面倒くさい……。
この映画のあとのファーストフードはなんなんだよ……かれこれ1時間半以上はいるだろ。
時計を何度も確認するが1分が長い……。
「……くは、ウケる面白い〜♪」
いつも通り会話してもすぐに終わるし和子はLINEをしていた。
俺は居ない存在として無視している……。こいつは一体なんで俺を誘ってきたんだ……?
……せめて映画を観に来たんだから会話でもするか。
「今日の映画良かったよな……」
「あっ? そうゆうの良いから黙って」
黙って? マジでダルい……。
ハエを追っ払うかのように何度も手で払っていた。
それで今度はゲームアプリを起動し始めやがった。
「……」
「ほら早く! 遅い!」
いきなり和子の席から立ち上がり、怒鳴ってきた。
「……はぁ?」
そのまま店を出て歩き始めていた。
「……たく、どこに行くんだよ」
和子の後を付いて行くがずっとスマホを触りなが歩き回っていた。
「……」
「それでどこに向かってるんだ?」
「黙って!」
「……はぁ?」
その黙れがはなんなんだよ!
そのまま和子は歩き、立ち止まっている俺に対して来いというサインを何度も出してくる。
「……はぁぁ」
一体なんなんだよ。たく……。
帰っても良いんだが和子がキレてる想像しかないからなんとなくついて行くと目的はクレープ屋で立ち止まった。
「クレープ?」
「あんた甘い物好きでしょ?」
普通に笑顔が言ってきた。
クレープ行くんだったら行くって言えよ……。
そんなことを言えばこの後帰り際も不機嫌のままで過ごすから言わないが……。
「和子もなにか食うか?」
まぁ和子も食うんだったら落ち着くだろう。
「何言ってるの? 私は食べるわけないじゃ。勝っても無駄だからいらないし」
「はぁ?」
なんだこいつ。
「それでいるの? いらないの?」
「……」
腹が空いてるわけじゃないから要らねえ……。
「別にいい……。ハンバーガーで腹とか空いてないし」
「はぁ!? たく、空いてないなら言いなよ! とんだ無駄足」
無駄足だあ!?
「それじゃあ聞かないのかよ。食べるのかって」
「そんなのお前なんだから食うに決まってるじゃん!」
「だから聞けって!」
「五月蝿いな! 黙ってればいいのに他の人ならそんなことし!」
「他の人だぁ? ……それじゃあ今度から他の人と行けば?」
スマホ触ってる人と最初っから行けばいいのによ!
「当たり前じゃん! ……たく本当に面倒くさい! 会話も出来ないし本当に面倒くさい!」
スマホ触りながら睨みつけてきた。
……会話なんてなかったろうが!
もう限界だ……イライラが収まらない。
「もう、俺は帰るからスマホの奴とどうぞご勝手に」
「あっそ。バイバイ」
そのまま和子とは別れた。
「……あー」
イライラしてしまう。わかっている。怒るのはエネルギーを無駄にしてしまうというのはわかっているが胃の方が針で刺されるぐらい痛いほどイライラしてしまっていた。
「……マンガでも買って帰るか」
そうだ。好きな物に没頭した方が笑顔になる……。
俺はそのままマンガコナーの方へと向かった。
「……んっ?」
「……おや?」
すると同じクラスの若井さんとあった。
「え……と。同じクラスの泉くんだよね?」
「そうですね……。若井さんで良いんですか?」
「若井でーす。それにしても奇遇だね」
「そうだね……。若井さんは雑誌を買いに?」
「あーそれもあるんだけど。……私、漫画も好きだからそれも買いに」
若井さんが1冊の新刊を取っていた。
「あっ! それ知ってる!」
「えっ、知ってる!?」
若井さんが手に取ったのは自分が少し前から集めていた漫画で若井さんは目を丸くしていた。
「そっか泉くんも知っているとは……。マンガとかアニメとか、好きなの?」
「……結構好きだね。マイナーだけどバトル系のマンガとか好きなんだけど若井さんは好き?」
「あー! 好き好き! めちゃくちゃ面白いよね!」
1冊取り出すと若井さんが目を輝かせながら話していた。
「結構、面白いよね!」
「ねー!! まさか泉くんも漫画が好きだったなんて。……良かったらこの後。喫茶店行かない? 色々と話したいのなって」
「えっ!?」
まさか誘われるなんて……。
「え、お願いします……」
「あっ、ありがとう……じゃあこの本買ってくるので」
「了解……」
若井さんと一緒に喫茶店の方まで歩いて向かった。
こんなに楽しいと感じたのは何年振りだろう……。
スマホ 二髪ハル @2kamiharu
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