第3話スライムの群れ

 歩き始めたはいいもののどこに水辺があるのかまじで見当がつかない。森の中を歩いていると方向感覚が狂って同じ様な所をぐるぐる回っているように感じる。



 ヤバイな……。黙々と歩いてきたがふと、空を見ると日が落ちてきている。夜行性のモンスターとかいたらヤバイし、早く拠点を探したい。



 しかし良くない事ばかりでもない。食料は順調に収集できているし、スライム狩りも結構できているのでレベルも5まで上がっている。明日、明後日くらいには11レベルを越して10連ガチャを引いてみたい。



 おっと、またスライムが出てきた。せい!

問答無用で石を投げる。レベルの上昇で体がパワーアップしたのか、スライムを倒すのに必要な石の数は5から2まで減ったので効率がめっちゃ上がった。



 スライムを倒し終わり、歩き出そうとすると違和感に気付く。視線を感じる……。数も結構いるっぽい。囲まれたっぽい……どうしよ……。



 思考を巡らせていると、それららは草むらから飛び出し突進をかましてきた。



「うおぉっっ」



 変な声が出た。恥ずかし。とかいってる場合じゃない。どう考えても数が異常なのだ。パッと見30は越えていると思う。しかもワインレッド色の上位種っぽい奴も一匹紛れこんでるんだよな。



 俺の考えた作戦はこうだ。囲まれている状況を何とかしたいので、一方向にのみ石を投げスライムを殲滅し道を作り包囲網を抜ける。



 完璧な作戦だ……。やってみよう……。うん、大丈夫だ……。完璧……なはず……。



「おりゃああぁぁ!!」



 とりあえず投げまくることしかできない。手を止めれば道が塞がってしまう。見極めろ……俺!今だ!



 抜けれた……。ホッとひと安心だがまだまだ敵はいる。上位種っぽい赤色のスライムに鑑定をかけてみる。



――鑑定――


【種族】ブラッドスライム

【レベル】13

【固有スキル】ブラッド・ミスト



 やはりただのスライムじゃないっぽいな。あいつは強そうだから最後に残しておくとして、回りの雑魚スライムを倒すとしますか。石の数は心もとないが、足下にもいっぱい落ちている。



 第2ラウンドの開始だ。距離は保ちつつ、一匹ずつしっかりと倒していく。



……結構倒したな。数は残り3分の1くらいだ。レベル少しずつ上がっているからか、一撃で倒すことも多くなってきた。もう1踏ん張りか。



「ぐはっ!」



 鳩尾に衝撃が走る。ブラッドスライムが突進してきたっぽい。あまりの痛みに膝をついてしまう。ヤバイ……油断しすぎた。



 どうにか気合いで立ち上がろうとするが、体に力が入らない。目の前には血飛沫にも似た真っ赤な霧ができている。



 どうにか意識を保ち、できることを考える。こういうときこそ型破りな作戦を考えるべきだ。何か……何かないのか…………。



「……ガチャだ!」



 そう、思わず叫んだがこういうときこそガチャを引くべきなんだ。レベルはちょうど11、ほとんど運だが俺はどれだけ低い確率でもこの手で引いてきた。



「頼んだぞ! 神引き!」





 



 



 


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